社長定例会見
早河洋社長 社長会見(4月22日)要旨
2014年4月23日 |
※視聴率状況について 早河社長:新年度の視聴率の概況は厳しい状況だ。得意の刑事ドラマが3本ともシングルのスタートだったことに加え、バラエティ系も多くは以前のような勢いがないことが原因だ。このクールに関しては一つ一つ強化策、改善策を講じていき、7月クールは夏祭りのようなものも計画しているので、そういう強化策を経て秋のクールでは、トップ争いができるレベルに戻りたいと考えている。反転というか回復にはそのくらい時間がかかるという意味だが、それまでに編成あるいは現場が意地を見せて、きっかけをつかんでくれることを確信している。昼帯の改編では、「徹子の部屋」がここまで平均5.3%と健闘しているが、その後の大阪発の料理番組になると下がる傾向にあり、12時台の平均値で見るとそれまでと横ばいという状況だ。まだ、視聴習慣がついていないので、早くそうなることを期待してやっている。それから「ワイド!スクランブル」だが、放送時間帯が10時半になり、例えば11時台のHUTというのが20%くらいで、昨日のように5%を取るとその時間帯ではトップになったり、平均でも18%近くのシェアを獲っていて、2位になっている。そうしたことから健闘と言えるのではないかと思う。スタジオ空間も明るくなったし、落着いた雰囲気も評価している。メインの橋本大二郎さんがその持ち味を、もう少し前面に出してもいいのではないかと思う。知事の経歴とかNHK時代の経験とか、そういう意味だ。最終的にはこの時間帯の視聴者層のニーズ、視聴者層は在宅の女性が多いが、そのニーズに合ったニュース、情報、あるいは企画を的確に盛り込めるかどうかということにかかっているのではないかと思う。明るい材料としては、早朝帯の「グッド!モーニング」が3位を確実に確保できるようになったし、「スーパーJチャンネル」「報道ステーション」の看板報道番組はトップレベルだし、新しくネオバラエティの後に編成した30分の深夜バラエティも可能性のあるものがいくつかある。池上彰さん、林修さんの2本の知的情報バラエティはまずまずのスタートを切っている。金曜ナイトドラマの「死神くん」も11.2%とこの時間帯としては高い視聴率を出してくれているので、我慢をしつつ戦っていければと思っている。 平城取締役:現在1月1週からの年間の視聴率は、全日7.6%、ゴールデン11.4%、プライムが12.0%とこの三区分は2位。プライム2は7.7%と1位となっている。4月クールはまだ3週ではあるが若干苦戦していて、全日が6.9%で2位。ゴールデンは9.9%で5位。プライムが10.5%で3位。プライム2は7.3%のトップとなっている。期首特番、新番組が低調なことと、去年はフィギュアスケートの国別対抗戦があり、その反動減ということがあると思う。期末期首も全日が7.0%、ゴールデンが10.5%、プライムが11.0%と三区分とも3位という結果、プライム2は7.2%でトップ。これも同じように昨年同時期の番組との反動減やバラエティ全般の不調によるものだと思われる。個別の番組だが、4月クールのドラマ、プライム帯の3本はすべて9%台というやや低調なスタートとなっている。「TEAM~警視庁特別犯罪捜査本部」初回が9.1%。木曜ミステリー「刑事110キロ」が初回は9.7%。木曜ドラマ「BORDER」は2回とも9.7%。金曜ナイトドラマ「死神くん」は11.2%とネオバラエティ枠としては非常にいいスタートを切っている。プライムでバラエティを2本改編したが、月曜9時「ビートたけしのTVタックル」の後に入った「ここがポイント!!池上彰解説塾」が2回平均で10.0%となっている。ただ月曜日の「報道ステーション」というのは他の曜日に比べて弱かったがいい流れができて、今後この2番組がセットでさらに上昇が期待できると思っている。またスタート前に2回特番をやって非常に好評だった「林修の今でしょ!講座」は初回12.4%と非常にいいスタートを切ることができた。時間帯が移った「ビートたけしのTVタックル」は4回平均8.0%と、以前の番組よりはいい数字となっている。3回目に9.1%、昨日も8.2%と堅調に推移している。昼帯は「ワイド!スクランブル」の10時半からの1部の昨日までの平均が3.6%、これは同時間帯2位という結果。「徹子の部屋」の今までの平均は5.3%で、同時間帯民放2位。この時間帯は3つの番組がバラエティとなっているが、その中では1番いい結果となっている。ただその流れの後にある「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」は、視聴者が他局に流れる状況で、残念ながら平均4.2%、現在民放4位という結果だ。ベルト番組では「グッド!モーニング」第1部が3週平均で自己2位の4.3%、第2部も自己2位となる6.5%を獲得し、昨日も7.2%と好調に推移している。今後の放送予定ではビッグスポーツイベントが控えている。5月14日から「FIFA女子ワールドカップ最終予選 AFC女子アジアカップ2014」が開催。6月25日には「FIFAワールドカップブラジル 日本×コロンビア」戦を当社が放送する。8月21日開幕の「パンパシ水泳2014」も加えて来月から強力スポーツコンテンツをラインナップしている。また、当社の色々な番組が各メディア賞を受賞している。昨年の11月30日、12月1日に放送した開局55周年記念 二夜連続ドラマSP「オリンピックの身代金」が第22回橋田賞を受賞した。また昨年8月11日放送の「ザ・スクープスペシャル 戦後68年特別企画 原発と原爆~日本の原子力とアメリカの影~」は「ニューヨーク・フェスティバル 国際テレビ・映画賞」の「政治部門」で金メダル、「国際情勢部門」でも銅メダルを獲得。今年の3月11日に放送した「ANN報道特別番組 スーパーJチャンネルSP 東日本大震災から3年 被災地から総力報道 ~‘3年後’のすがた~」はギャラクシー賞2014年3月度月間賞を受賞した。 ※営業状況について 早河社長:3月についてはタイムが前年比93.5%、スポットが105.0%、トータルではちょうど100.0%となった。タイムについては昨年は野球の「WBC」やサッカーの「ワールドカップ最終予選」など大型スポーツ番組があったが、今年はそれがなくて初めから前年を超えるのは難しいと見ていた。かわりに55周年記念特番の二夜連続ドラマ「宮本武蔵」など期末の特番をセールスし、計画通り予算は達成できた。スポットは景気の回復基調や消費税の駆け込み需要が3月に関しては引き続き出ていた。そういった中で戦略的にセールスを進め、地区のスポットシェアは0.3ポイントアップして22.7%となった。これは3月のシェアとしては過去最高。売り上げでも、過去最高ということになった。また、シェアの前年超えが18カ月連続という成果を出すことが出来た。4月についてはタイムが前年比99.0%プラスα、スポットが96.0%プラスα、トータルでは97.0%プラスα。タイムは4月の改編のレギュラーセールスやプライムタイムのバラエティ・ドラマだけでなくその他の時間帯においても順調にセールスが推移している。スポットについては消費税増税の影響が出ているように思う。4月も下旬だが、なかなか数字が伸びず、東京地区全体も前年の水準には到達しない見通しである。5月以降のセールスで巻き返しを図りたい。その5月だが、タイムが前年比98.0%プラスα、スポットが72.0%プラスα、トータルでは84.0%プラスα。タイムについては先ほどあったようにレギュラー枠は好調にセールスできている。5月はAFCの女子アジアカップ、ワールドカップの予選でもあるが、この物件のセールスに力を入れており、昨年以上の売り上げを目指している。スポットは全体的にまだ消費増税に対する不安が払拭されているとは言い切れないが、4月ではなく5月にキャンペーンを後ろ倒しにしたアドバタイザーがいくつか見られているので、マーケットが動き出してくると見ている。業種としては「薬品」「化粧品・洗剤」「サービス・娯楽」といった業種が好調の見込みだ。 ※放送外収入について 藤ノ木取締役:元ザ・ビートルズのポール・マッカートニーさんが、再び、来月5月に来日し、東京の国立競技場の2公演を当社も主催するが、先週19日土曜日に一般発売し、2つの公演10万席をほぼ売り切っている。ただ大変な反響で申し込みもなお殺到していることから、引き続き追加席などを販売できないか現在検討しているところだ。昨年11月の11年ぶりの来日公演でも当社主催の東京公演が3回行われたが、15万人を動員し、往年のビートルズ・ナンバーを次々と演奏してファンを魅了し大成功を収めた。このときもチケットが早々に完売してしまい、追加公演を求める声が出ていたが、今回は、ポール・マッカートニーさん自身が日本での公演や歓迎ぶりに非常に満足し、再び日本で演奏したいということで急きょ再来日が決まったと聞いている。今回の会場になる国立競技場は、2020年の東京オリンピックに向けた改築のため7月に解体予定であり、海外のソロ・アーティストとしては最初で最後のライブとなる。ポール・マッカートニーさんにとっても、日本での初の野外ライブということで、今回は5月の17日、18日、土日の休日となる。また違った興奮を味わって頂けると確信している。もう一つもコンサート関連。当社の人気ドラマシリーズ「相棒」だが、いよいよ今週の土曜日に「相棒_劇場版3_巨大密室!特命係絶海の孤島へ」が映画公開となる。その「相棒」の音楽と映像を楽しんでいただく新しい企画コンサート「響(ひびき)」を6月に開催する。お陰様で大きな反響もありすでにチケットは完売している。このコンサートはドラマ・映画の相棒シリーズから特別に編集した名場面をスクリーンで上映し、オープニングテーマをはじめとする「相棒」の楽曲をオーケストラとバンドによる迫力の生演奏とともに堪能していただく。「相棒」の音楽の生みの親、池頼広さんが自ら指揮しナビゲーター映像は水谷豊さん演じる杉下右京。さらにゲスト登壇によるスペシャルトークも予定しており、「相棒」の世界を新たな楽しみ方で体感・共有できるプレミアムコンサートとしてご期待頂きたい。次はコンテンツビジネス系のトピックスを3つ。一つ目は「忍者ハットリくん」。日本でも過去に放送されたアニメーションだが、2012年にインドで制作したものを、逆輸入盤ということで「NINJAハットリくんリターンズ」としてDVDを発売することになった。4月15日よりドコモ「dビデオ」でも配信開始している。日本では25年ぶりの続編となる。DVDはTCエンタテインメントより7月11日に発売となり、副音声にはヒンディー語が収録されている。「dビデオ」は全26話、53エピソードが配信されている。もう一つはフォーマットの販売について。先日、フランス・カンヌで開催された世界有数の国際コンテンツ見本市「MIPTV」で中南米・ブラジル最大のテレビ局TVGlobo(テレビグローボ)とフォーマットの初めての取引が成立した。弊社のフォーマット販売はアジアを中心に現在展開をしているが、中南米地域では初めてということになる。番組はかつてのテレビ朝日の人気番組「炎のチャレンジャー」のコーナー企画で「村ごと抜き打ちチャレンジカラオケ大会」というのがあったが、それを「Villagevoices」という英語の題名にしたもの。放送の日時や詳細については決まったらまたご報告する。最後はテレビ朝日のマスコットキャラクター「ゴーちゃん。」について。5月5日に3度目の誕生日を迎える。誕生日のイベントとしてゴールデンウィーク、5月3日から6日までの4日間、テレビ朝日のアトリウムで「ゴーちゃん。GOGOPARTY」を開催することになった。5月にはAFCの女子アジアカップ、6月にはFIFAワールドカップの開催を間近に控え、ゴーちゃん。とサッカーが強力にコラボする。無料で遊べるイベントやプレゼントがもらえるアトラクションなども盛りだくさん。今年は40周年を迎えた人気キャラクターのキティちゃんもお祝いに駆けつけてくれることになった。 平城取締役:続いて、出資映画のトピックスを報告させて頂く。今週からいよいよ「相棒劇場版3」が公開になるが、他の出資作品について報告する。まず先週土曜日に公開になった「映画クレヨンしんちゃん_ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」。非常に順調な滑り出しをみせている。土日の集計で29万4599人、興行収入3億3893万円と、昨年の作品対比で150.4%と良い滑り出しとなっている。週末の興行ランキングは、1位は6週連続の「アナと雪の女王」があるので、現在のところ3位という結果となっている。また、その前の週に公開した剛力彩芽さん主演の「LDK」。これは9日間累計で、15万2813人、興行収入1億7619万円、先週の週末興行ランキングは6位となっている。また、映画は仮面ライダーやドラえもんも好調。3月29日公開の「平成ライダー対昭和ライダー仮面ライダー大戦featスーパー戦隊」。これは4月20日までの23日間累計で、73万5550人、興行収入8億6364万円。昨年の同時期に公開した「仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事_スーパーヒーロー大戦Z」と作品対比で102%とこちらも順調に推移している。週末興行ランキングは7位だ。それから、7週目になった「映画ドラえもん_新・のび太の大魔境_ペコと5人の探検隊」は、4月20日までの44日間累計が、動員が310万2575人、興行収入34億571万円。前々作の「のび太と奇跡の島」の、これは最終興収36億2000万円だったが、これの対比の98.5%とこちらも順調に推移している。出資映画については以上だ。 以上 |