社長定例会見
早河洋社長 記者会見(7月26日)要旨
2011年7月27日 |
※アナログ停波について 早河社長:7月24日(日)は、私を含めた関係役員、スタッフが出社し、本社のスーパーマスターでその瞬間を迎えた。12時の前は「サンデー・フロントライン」の“ニュースの記憶”コーナーで、テレビ普及のきっかけとなった皇太子ご成婚のパレードなどを取り上げて、アナログ時代の象徴ともいえる出来事を振り返った。テレビ朝日OBの実況アナウンサーやカメラマンの証言などで構成した。その後の「ANNニュース」内で「アナログ終了」関連ニュースを放送した。“アナログ停波へ”という項目と“駆け込み需要”についての2項目。11時59分から放送の「プロ野球オールスター」で、アナウンサーが「アナログ放送番組終了」をお知らせして、アナログ側は20秒前から「カウントダウンスーパー」を表示した。正午にアナログ放送番組を終了し、ブルーバックの「お知らせ画面」に移行した。停波については、サッカーの「やべっちFC」の番組で、アナウンサーが「被災した3県を除き、完全に終了になります」というアナログ放送終了をコメントした。アナログ側は23時58分から通常のクロージング放送を行い、23時59分に停波し、砂嵐状態になった。我々は10chのアナログ電波が停まり、5chになった。12時の段階で、社内で「テレビ朝日は10chが無くなり、新しく生まれ変わったという気持ちで今後仕事をして行こう」という趣旨の挨拶をした。皆様のおかげで、ラテ欄も堂々と真ん中へ位置することができた。あとは、放送の中身を充実させていくことに尽きる。反応だが、テレビ朝日に24日当日は380件、25日には103件、合わせて483件。ほとんどが24日の午後から夕方に集中している。系列には約3000件。このうち9割にあたる2700件あまりが受信相談で、苦情は10%に満たない。アナログ停波からデジタル移行に関しては順調に行われたと評価している。5000万世帯と言われているが、東北3県を除けば4800万世帯で、民放連会長が言ったように10万世帯という数字、あるいは当日の総務省コールセンター・NHK・民放に寄せられた約18万件という数字を考えると、99.7%から99.8%くらいの達成度ではないかと推量している。それが順調に移行したという判断の根拠としている。 ※デジタル化時代を迎えて改めて抱負を? 早河社長:完全デジタル化になってもテレビはメディアの中心軸として機能していく。デジタルの特性である高画質、高音質、双方向を活かした番組作り、とりわけデータ放送は加速していかなくてはいけない。我々はアナログ50~60年の歴史の中で信頼される報道番組、なでしこジャパンに象徴されるようなエキサイティングなスポーツ、笑い・癒し・面白さを追求するバラエティ、感動的なドラマ等々を長い間制作して放送してきた。そのノウハウの蓄積はネット時代になってもデジタル時代になってもかなりのポジションで生き続けることができるだろう。メディア環境の変化にまずは迅速的に対応していく。基礎的な点ではひとつは独創的でアナログ時代に構築してきた魅力あるテレビならではのコンテンツを作り続けて、視聴率争いの上位にいることがビジネス展開の基本条件になる。もう一つは、ネット系メディアなどあらゆるデバイスにコンテンツを供給していくというビジネスが大事だ。そのためにはIT業界との連携、提携、協業を進める。一例では、携帯のニュースEXのようなことだ。今まではテレビ向けに作っていたのをコンテンツと称していたが、地上波とは違う意味合いのネット系コンテンツの企画力、制作力、展開力を充実させる必要がある。コンテンツプロバイダーであると同時に、事業提携、協業等によって何らかのプラットフォームに参画していくことが必須になる。デジタル5ビジョンという計画の1年目だが、2013年の開局55周年までにデジタル時代のビジネスモデルの基盤を整備構築する必要があるということで、いくつかは既に布石を打ちつつあるが、そういう認識をしている。 ※視聴率状況について 早河社長: 概況の前に、「白虎隊」の福島地区と東京での放送について。この経緯は、番組審議会で、脚本家の内館牧子さんから福島を励ますために自分が書いた「白虎隊」の再放送ができないかという提案を受けて、関係のジャニーズ事務所をはじめ、権利者と編成が交渉した結果、実現するものだ。5時間近い長編だが、福島の方から「白虎隊」の放送を決めてくれて大変ありがたいとのリアクションがあった。 平城取締役:4月からの最新状況だが、全日は現在、7.1%の3位、ゴールデンは10.9%の民放3位、プライムは11.4%の3位、プライム2は8.4%の1位となっている。前年比で0.2ポイント等下がっているが、全般的に、去年の数字の中にはサッカーのW杯が入っていることと、HUTの低下等があるが、各局との差はそんなに大きくなっていない。3局での良い争いができている。レギュラー編成で弱点だった曜日の編成が順調にいっている。ベースアップしている状況はそのまま続いている。HUTは、7月1週2週でゴールデンとプライムで本年度ワーストを2週連続で記録した。通常のHUTは8月のお盆の時期に下がるが、節電とか、いろんな状況が影響していると思う。ここの番組では、ドラマが3本スタートした。特に「新・警視庁捜査一課9係」が3回放送したが、平均15.2%。7月クールの民放スタートの全てのドラマでトップとなっている。それから木曜9時「陽はまた昇る」だが、前回5/14のスペシャルドラマ「最後の晩餐」の続編のようなかたちで、井上由美子さん脚本、佐藤浩市さん、三浦春馬さんが出演しているが、13.5%と良い形でスタートできた。木曜ミステリー「京都地検の女」はまだ2回だが、平均で12.2%と前年度を上回っている。今週からスタートする、金曜ナイトドラマ「ジウ 警視庁特殊犯捜査係」。これは大変力が入っていて、良い出来になっている。7月29日スタート。7月クールドラマに関しては3本好スタートで、金曜ナイトドラマも期待ができる。日曜ナイトだが、高校野球もありスタート時期が未定だが、「バラ色の聖戦」が控えている。4月スタートのバラエティだが、「トリハダ秘スクープ映像100科ジテン」 (火 19:00) は、火曜19時はアニメ枠で苦戦していたが、今月に入って2桁10.1%を記録し、平均が9.3%と、枠として改善してきている。金曜 21時、ABC制作の「Oh!どや顔サミット」は13回平均で8.2%と一進一退を繰り広げているが徐々に安定してくると思っている。朝帯の「モーニングバード!」だが、先月はちょっと厳しいと話したが、7月に入って2週・3週と週平均で5.3%と5%台を回復させた。スタート時に7.5%をとったが、7/19(火)には自己2位の6.9%を獲得している。 ※営業状況について 早河社長: 6月はタイムが前年比85.3%、スポット101.5%、93.0%となった。タイムの前年比85.3%は、昨年のワールドカップの反動減。スポットの東京地区は97.7%で、当社のシェアは前年比+0.8ポイントの21.2%だった。7月は、タイムが前年比100%+α、スポットが99%+α、トータルでは99%+αで、前年を超える可能性も出てきている。「世界水泳・上海2011」をはじめ大型物件が目白押しだったが、「世界水泳」についてはゴールデン帯の生放送となる「競泳決勝」を目玉に、最終的には順調に仕上がった。23日、24日は「マツダオールスターゲーム2011」で、特に24日、デジタルになった日だが、宮城で行われた。東北の復興に一役買う、良い雰囲気のオールスターだった。セールス面でもアドバタイザーに注目された。8月は、タイムが前年比97%+α、スポットが50%+α、あわせて75%+α。タイムは、主にレギュラーの空枠のセールスを粛々と行っていく。あわせて10月改編セールスが佳境を迎えており、8月一杯まで頑張っていきたい。スポットだが、今の段階で50%というのは、正直出足が鈍い状況だ。8月は閑散期ということもあって、少々厳しくなるのではないかと思っている。ただ、9月はキャンペーンの予定も聞こえ始めており、8月に限定された落ち込みと思っている。デジタル化になって、デジタルの普及も進んでおり、アドバタイザーからの問合せも少しはあるが、セールス面で影響がでていることは全くない。 ※放送外収入について 神山専務:イベントでは「フジロック フェスティバル2011」が7月29、30、31日の3日間、苗場スキー場で開催。今回で15回目。これも恒例の「SUMMER SONIC 2011」は8月12、13、14日に千葉のQVCマリンフィールドと幕張メッセで開催される。8月6日から9月12日まで「夏休み テレビ朝日 ボエボエ!ドラえもんパーク」が開催される。これは9月3日のドラえもん誕生日にオープンする「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」を記念して、テレビ朝日アトリウムにドラえもんたちの遊び場として展開していくというもの。映画は「スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」が7月24日まで44日間で興行収入8億8500万円強と目標を大きくクリア。「仮面ライダーオーズ」「海賊戦隊ゴーカイジャー」は8月6日からの公開となっている。WEB・モバイルは「ニュースEX」が137万3000強という所で推移している。7月クールの「陽はまた昇る」の見逃し動画を初回放送終了直後から配信開始。 以上 |