今回の地球家族は、オランダはロッテルダムで美容師として頑張っている夕子・ドースマンさんとその家族。風車とチューリップで有名なオランダは、正式にはネーデルランド王国といいます。「ネーデルランド」は｢低い土地｣という意味。オランダは国土の４分の１が海抜0メートル以下なのです。



夕子さんは今から６年前、ご主人のへニーさんの仕事の都合でオランダにやってきました。現在は、へニーさんと、前夫の子供の理央君、眞央ちゃん、光央ちゃん、へニーさんとの間にできた子供のトミ君の家族６人で暮らしています。夕子さんとヘニーさんの出会いは、夕子さんがアメリカ人の夫と離婚し、３人の子供を抱えていた頃。ヘニーさんは初婚でした。



夕子さんは若い頃から美容師になりたいと思っていましたが、なかなか勉強する機会がありませんでした。オランダに移住後、育児と家事をこなしながら夜間の美容学校に２年間通い、美容師の免許を取ったのです。現地のオランダ人の生徒とは違い、知り合いが少なかった夕子さんは、カットモデルを探すのも一苦労。街に出て道行く人々に声をかけ、練習台となってくれる人を探したりしました。



夕子さんは、５ＬＤＫの自宅の一室を改造し、美容室を開きました。資金に余裕がなかったので、内装は全て手作りです。ヘニーさんも手伝ってくれました。美容室の備品は美容師専用のお店で買いました。卸値なので安いのですが、美容師の免許を持っていないと購入することができません。ヘアサロン専用の椅子やシャンプー台など欲しいものはたくさんありますが、全部をそろえるにはまだ時間がかかりそうです。



美容院のお客さんはパソコンのホームページや口コミで徐々に増えてきました。ヘアサロンのオープンを記念してホームパーティを開くことにしました。招待したのは夕子さんが美容師の勉強のためのカットモデルをしてくれた人たち。テーブルには夕子さんの手料理がたくさん並んでいました。中でも大人気だったのは、夕子さんご自慢の餃子。実は、夕子さんの実家は３０年続いた中華料理屋だったのです。



夕子さんはこれまでに、離婚、子供の病気など様々な困難がありました。持ち前の明るさと頑張りでそれらを一つ一つ乗り越えて来ましたが、どんな時でも心の支えになったのは、お母さんの存在でした。夕子さんが２４歳の時にお父さんが亡くなり、それ以来お母さんはずっと一人で暮らしています。遠く離れた日本にいるお母さんのことは常に気がかりです。美容師になり一段落ついた夕子さんは日本に帰り、お母さんに会うことにしました。



久しぶりのお母さんとの再会。お母さんは餃子を作り、娘と孫を待っていました。美容師になった夕子さんはこれまでの感謝の意を込めて、お母さんの髪をカットしました。改めて親のありがたさを感じた瞬間でした。
４０歳で美容師になった夕子さん。ヘニーさんの理解と協力がなければできることではありませんでした。夕子さんはこれからも家族皆で困難を乗り越え、前向きに生きていくのでしょう。

夕子さんのＨＰアドレス

http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Himawari/6069/index.html

番組中に紹介した「ヒットピット」（レンジで温めて首に当てて使うもの） のＨＰアドレス　［コラムジャパン株式会社］

http://www.coram.co.jp/