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#062 2003年12月20日放送
国  名:イタリア
イタリアでバイオリン職人に!
〜名器ストラディバリウスに憧れて〜

tv asahi
阪本さん一家プロフィール
阪本 博明(33歳)
    裕子(29歳)
    悟宇(2歳)
放 送 内 容

今回の地球家族は、イタリアはクレモナでバイオリン職人として頑張っている阪本博明さんとその家族。
北イタリアの小都市、クレモナ。クレモナは人口8万人の小さな町ですが、16世紀から18世紀前半、弦楽器の製作地として栄え、アマティ、ガルネリといったバイオリン製作の巨匠が生まれたことで知られています。




その中で特に有名なのが、アントニオ・ストラディヴァリ(1644〜1737)が作り出した「ストラディヴァリウス」と呼ばれる弦楽器です。ストラディヴァリウスの作品の数は約1300〜3000と言われ、現存するバイオリンの数は世界中で約600本が確認されています。クレモナは、現在でも品質の高いバイオリンを作る工房が多く、世界中からバイオリン職人が自分の工房を開くことを夢見てやってきます。




博明さんは、高校卒業後、叔父さんが営む管弦楽器専門店に就職し、バイオリンの魅力に引き込まれていきました。そして、世界最高の技術を身に付けるため、94年に単身クレモナに渡り、クレモナ国際バイオリン制作学校でバイオリン製作の勉強をしました。卒業後もクレモナにとどまり、バイオリンを作り続けています。昨年、念願だった工房をイタリア人の友人と二人で設立しました。




博明さんがバイオリンを一本仕上げるのにかかる期間はおよそ三ヶ月です。すべて手作りのため、年に4本しか作れません。売値は1本80万円なので、年収は約300万円の生活です。決して贅沢はできません。博明さんの現在の夢は、自分の作ったバイオリンを世界的なディーラーや演奏家から認めてもらうこと。その夢をかなえるため、黙々とバイオリンを作りつづけています。




博明さんと裕子さんの出会いは、10年前の1993年のことです。東京の語学学校で知り合い、交際がスタートしましたが、出会って一年後に博明さんはクレモナに渡ってしまいました。当時、看護婦をしていた裕子さんは日本に残り、6年間の遠距離恋愛を経て結婚しました。そして、二年前、長男の悟宇君がお腹にいるとき、イタリアにやってきたのです。その悟宇君は2歳になりました。阪本夫婦は、悟宇君のためにも環境のいい場所に住みたいと考えるようになりました。現在住んでいるアパートは築200年の古い建物なので使い勝手が悪く、また、交通量の多い表通りに面しているので危険も一杯なのです。そこで、阪本夫妻は新居を探すことにしました。





イタリアでの家探しも日本と同じで、新聞や不動産屋で条件に合う物件を探すことから始めます。阪本夫妻の家賃の予算は日本円で月8万円。不動産屋の案内で物件を見せてもらいました。色々見てまわりましたが、なかなか条件にあう物件はありません。そんなある日、街の中心から車で10分の閑静な住宅街の中の新築物件があると連絡があり、阪本さん一家は見に出かけました。そこは、3LDKで80平方メートル、気になる家賃は月7万円。2階には、ロッジ風の明るくて清潔な部屋が3つありました。悟宇君のためには一番いいということで、この物件に決めることにしました。




新居が決まった日、博明さんの工房にお客さんがやってきました。三ヶ月かけて完成させたバイオリンを地元の演奏家が引き取りに来たのです。
美しい調べが流れるバイオリンの街で、阪本家に新たな生活が始まろうとしています。



阪本さんのバイオリンについてのお問い合わせは、
以下のメールアドレスでご連絡ください。
メールアドレス  delgesu@iol.it

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