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#042 2003年8月2日放送
国  名:アメリカ
シアトルでトリマーに!
~恵まれない犬たちのために~


TV-Asahi
木田さん一家プロフィール
木田 博 (50歳)
   節子(51歳)
   行美(21歳)
   美奈(17歳)
放 送 内 容
今回の地球家族は、アメリカはシアトルで、トリマーとして頑張っている木田節子さんとその家族。
シアトルは海と湖に囲まれた、「エメラルド・シティ」と呼ばれるほど美しい町。アメリカ人が暮らしてみたいと憧れる人気の町なのです。3人の日本人大リーガーが活躍するシアトル・マリナーズの本拠地としても有名です。




木田さんとご主人の博さんは、クレー射撃が縁で出会いました。家も近所だったことから、すぐに交際がスタートし、1978年に結婚しました。
木田一家が渡米したのは、実は、長女の行美さんのため。行美さんが15歳の時、英語を学びたいとアメリカ留学を希望したのです。娘を一人で行かせることが心配だったことと、博さんが日本での仕事に行き詰まりを感じていたこともあって、一家でアメリカに渡ることを決めたのでした。希望をもってアメリカに渡ってきた木田一家でしたが、最初はうまくいきませんでした。アメリカの職場が合わず、一家を支える博さんの苦労は続きました。節子さんは、博さんばかりに苦労させては、と働きに出ることにしました。日本で身に付けたトリミングの技術を生かし、トリマーの仕事を始めたのです。



トリマーとは、犬の美容師。犬の全身の毛をカットするのはもちろんのこと、肌の状態をチェックしたり、爪を切ったりすることも仕事です。日本でトリミングを学んだ節子さんは、アメリカにやってきて、要求されるテクニックの違いに驚きました。日本では、カットが上手いかどうかという技術を要求され、2~3時間かけて丁寧に仕上げるのですが、アメリカでは、いかに早くカットするかというスピードを要求されるのです。そのアメリカの考え方は、長時間拘束して犬にストレスを与えないよう配慮する動物愛護の精神に基づいています。




節子さんは、最初は知り合いの日本人を相手にアルバイト程度の出張トリマーをしていました。しかし、日本流の丁寧なカットのテクニックが話題となり、現在のグルーミングショップでの仕事をするようになったのです。
トリマーとして歩み始めた節子さんは、シアトルで大きな生きがいを見つけました。
それは、トリミングのボランティア。アメリカでは飼い主を失った犬は、レスキュー団体に引き取られ、新たな飼い主が現れるのを待ちます。そんな犬たちに一日でも早く次の飼い主が見つかるよう、トリミングを行うのです。




今回のボランティアは、レスキュー活動を長年続けているアンさんのお宅。アンさんは、ミニチュア・プードルの世界的ブリーダーでもありますが、飼い主のいなくなったプードルを引き取ってもいるのです。
飼い主が病気になったために3日前にアンさんに引き取られたワンちゃんは、半年以上も手入れされていないため、毛玉もたくさんできていて、毛も汚れ、皮膚病になりかけていました。こんな状態では新しい飼い主はみつかりません。節子さんは、健康な状態に戻すために汚れた全身の毛を刈り取りました。しかし、少しでも可愛くしてあげたい。そこで、比較的きれいな顔の周りは丁寧にトリミングし、なんとかミニチュア・プードルらしく仕上げました。




見違えるようにきれいになったワンちゃん。アンさんも大満足です。しかし、レスキュー活動はこれからが大切。新しい飼い主に可愛がられて幸せに暮らすようになるまでは仕事は完了しないのです。
長女行美さんの留学をきっかけにシアトルで暮らし始めて7年。木田さん一家の暮らしはようやく軌道に乗り始めました。節子さんの挑戦は始まったばかりです。




TV-Asahi