←バックナンバーINDEX
#034 2003年5月31日放送
国  名:カンボジア
カンボジアで養護施設を経営する日本人
〜28歳日本人女性は32人の母親代わり〜

TV-Asahi
メアスさん一家プロフィール
メアス・博子(28歳)
トミー(40歳)
拓海(4歳)
放 送 内 容
今回の地球家族は、カンボジアで児童養護施設を経営するメアス・トミーさん博子さんご夫妻。 カンボジアは、インドシナ半島に位置する歴史と伝統の国。アンコールワットは世界遺産としても有名です。カンボジアの主な収入源は観光ですが、長い内戦により観光客も少なく、国の財政はかなり厳しい状態です。街中のあちこちに路上生活をするストリートチルドレンの姿が見られ、その数は二万人とも言われています。




アンコールワットがあるシェムリアップに、メアス・トミーさんと博子さんが経営するスナーダイ・クマエ孤児院はあります。この孤児院で暮らしているのは、戦争で身寄りを無くした子供たちや、経済的理由で家庭に居場所がない子供たちで、現在6歳から18歳までの31人が生活しています。
こうした子供たちの受け入れ先が不足している中、トミーさんが、カンボジア人が経営する初めての施設としてこの児童養護施設を設立したのです。





今から23年前、トミーさんはカンボジア難民として日本を訪れました。この時、カンボジアの教育の遅れを痛感しました。そして、トミーさんの父親が国会議員として貧しい子供たちのために頑張っていたこともあり、父亡き後、その志を継いで施設を開いたのです。
この施設は国からの援助をほとんど受けていないので、その運営はトミーさんの収入でまかなわれています。大都市の企業の方が収入が良いため、トミーさんは首都プノンペンに単身赴任して施設に仕送りをしているのです。
トミーさんと博子さんの出会いは6年前の1997年。博子さんが修学旅行でアンコールワットを訪れた際に知人を通して知り合い、出会って一年後に結婚しました。結婚して二年後には拓見くんが誕生し、現在は3人家族です。拓見くんは、施設の皆と兄弟のように暮らしています。




ある日施設に問題が起こりました。同じ17歳のブンヤー君とソム君。大の仲良しだった二人が仲違いしてしまいました。そのせいか、子供たちも二つのグループに分かれてしまいました。
子供のけんかは良くあること。博子さんは二人からそれぞれ話を聞いたり、夕食にみんなの好きなカレーライスを出したりなど、色々工夫をしてみましたが、一向に改善する様子が見られません。何とか自分の力だけで解決したかったのですが、考えた末にトミーさんに相談することにしました。




次の日の夜、トミーさんがプノンペンから駆けつけてくれました。子供たち全員を集めて話をしましたが、ブンヤー君はなかなか心を開いてくれません。そこで、トミーさんが不在だったため、しばらくできなかった子供たちの誕生パーティを開きました。1月から4月までに誕生日を迎えた子供たち一人一人にプレゼントを渡しました。小さいけどケーキもあります。子供たちの表情にも明るい笑顔がひとつ、またひとつと戻っていきました。




数日後、砂利拾いをする子供たちの中に進んで手伝うブンヤー君の姿がありました。ソム君と一緒に以前の笑顔を取り戻していました。
拓見くんを含む32人の子供たちをかかえるトミーさんと博子さん。これからもみんなの笑顔を守るために二人で力を合わせていきます。厳しさの中で培った強さがこの大きな家族の絆を深めていくのでしょう。




TV-Asahi