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#033 2003年5月24日放送
国  名:ミャンマー
ミャンマーで野球を教える日本人
~子供たちに生きる希望を!~

TV-Asahi
岩崎さん一家プロフィール
岩崎 亨(47歳)
ひとみ(46歳)
えり奈(17歳)
紗也(12歳)
文美加(5歳)
放 送 内 容
今回の地球家族は、ミャンマーで野球を教えている岩崎さんとその家族です。
「ビルマの竪琴」で有名なこの国は礼儀正しい仏教徒の国。年間の平均気温が約30度というミャンマーでは、男女ともロンジーと呼ばれるスカートのような服を着て暑さをしのぎます。そのせいか、人々はスポーツで汗を流すという習慣をほとんどもっていません。
岩崎さんがミャンマーに移り住んだのは8年前。1995年のことです。薬物問題に取り組む機関のミャンマー事務所代表に就任したのがきっかけでした。5年間その任務に従事していましたが、その後もミャンマーに残って、子供たちに野球を教えていくことを決心し、奥様のひとみさんの協力を得て、今日に至ります。




野球チームのメンバーは現在35人。みんな家庭が貧しく、学校を途中で辞めてしまった子供たちです。ミャンマーは政治状況も厳しく、経済も破綻に近い状態なのです。家の手伝いなどで休む子供も多いので全員が揃うことは滅多にありませんが、強制はしません。練習の参加は自由です。
岩崎さんは野球を教えることで生活しているわけではありません。野球は無料で教えているので収入は全くなく、これまで貯めた貯金で生活しているのです。選手達が使う野球の道具は日本のプロ野球チームや社会人チームなどから使わなくなったものを寄付してもらいました。お金がないので、道具はぼろぼろになっても大切に使っています。





球場はみんなの手作りです。土地はミャンマー政府が与えてくれたのですが、土地をならし、草を抜いて、炎天下にみんなで力を合わせて少しずつ作り上げていきました。
そして、ひとみさんはマネージャーとして、岩崎さんを支えています。選手たちにとってはお母さんのような存在です。




ある日、練習中にアクシデントが起こりました。フライのノックを練習しているとき、打球を取ることができず、硬式ボールが一人の選手の頭を直撃したのです。その選手はサンウィン君。野球を始めてまだ三ヶ月。
幸い大事には至りませんでしたが、翌日岩崎さん夫婦はサンウィン君の家を訪れました。元気そうなサンウィン君を見て一安心しましたが、水道やガスの設備もない家に暮らし、貧しさのために学校を辞め、行き場のなくなった子供たちの現状を目の当たりにしたのです。そんな子供たちに野球を通して生きる喜びを感じて欲しい。それが岩崎さんの願いなのです。




選手たちが待ち望んでいた紅白戦の日がやってきました。試合用のユニフォームに身を包んだ選手たちはすこし緊張気味。
岩崎さんは紅白戦では監督はやらないで選手のプレーを観察します。ひとみさんも記録をとりながらゲームを見つめます。三年前に、野球を教え始めたばかりのころは、とても野球と呼べる試合はできませんでした。しかし今は違います。選手たちは自分のやるべきことをちゃんと把握し、実行していました。
立派な成長ぶりを見せた選手たちに、岩崎さんはねぎらいの言葉をかけました。 また一つ選手たちとの絆が深まりました。
これからも、岩崎さん夫妻は野球の楽しさを教え続けていくのです。




TV-Asahi