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#028 2003年4月19日放送
国 名:スイス
スイスで料理人を目指す日本人
~チーズ料理に賭けた思い~
TV-Asahi
松井さん一家プロフィール
松井章記(33歳)
麻紀(32歳)
美紅(1歳)
放 送 内 容
今回の地球家族は、スイスはベルンでスイス料理のシェフを目指して頑張っている日本人とその家族です。
スイスの首都ベルンの旧市街は、世界遺産にも指定されている美しい街。そのベルン市内の4つ星の高級ホテル、ホテル・アンバサドールのメインダイニングは世界中からお客さんが訪れる人気のレストランです。松井さんはこのレストランに勤めています。勤務して今年で3年目になる松井さんは、現在付け合せやスープなどを担当しています。
松井さんの夢は将来独立してレストランを開くこと。その夢を実現させるためには、まず腕をみがきシェフにならなければなりません。
妻の麻紀さんとはは、松井さんが名古屋のホテルで宴会係の料理人をしていたときに出会いました。麻紀さんも同じホテルで働いていたのです。 「いつか独立したい」という夢の一歩がスイスでの結婚式でした。現在では美紅ちゃんも誕生し、家族3人で暮らしています。
松井さんにある日、初めての大きなチャンスがやってきました。エメンタール料理のフェスティバルを開催するので新しい料理を一つ作って欲しいとシェフから言われたのです。その時手渡されたのが一冊の本。ドイツ語で書かれたスイスの国民的作家ゴットヘルフの小説です。その本をヒントに料理を考えて欲しいというのです。その料理にはもう一つ条件がありました。豚のスネ肉のハムと豚のロース肉を使うということ。
松井さんは辞書を片手にその小説を読みました。そして、「男が大きなチーズを抱えてきた。こんなうまいチーズはベルン以外では、世界中誰一人食べることはできないのだ」という一説をヒントに、エメンタールチーズを組み合わせた料理を考えたのです。
さっそく試作品を作りますが、シェフは厳しくチェックし、料理になっていないと却下されてしまいました。松井さんは自分が作った料理を食べなおしてみて、シェフからも指摘があった通り、チーズに問題があると考えました。早速行動に移しました。チーズの熟成具合によって味が全く変わってくるので、納得のいくチーズを自分で作ることにしたのです。
エメンタール地方に伝わる伝統的な製法をマイスター指導のもと、150年前と全く変わらない手順でチーズを作りました。
松井さんが考えた、豚肉とハムとチーズの重ね焼き。チーズに熟成度だけではなく、洋ナシを加えることで全体の味のバランスを整えました。果たして評価は?
やっとシェフから合格をもらいました。
松井さんが始めて腕を振るったメイン料理はフェスティバルの主役になることでしょう。
洋ナシを加えるアイディアは、実は麻紀さんのアドバイスによるものでした。
かけがえのない家族の愛が夢を育んでいくのです。
TV-Asahi