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#025 2003年3月29日放送
国 名:イタリア
ミラノで画家として活躍する日本人
~美術館での個展に初挑戦~
TV-Asahi
松山さん一家プロフィール
松山 修平(47歳)
真理(49歳)
直樹(19歳)
達彦(18歳)
隆平 (14歳)
放 送 内 容
今回の地球家族は、イタリアはミラノで画家として活躍する松山修平さんとその家族。
北イタリア最大の都市ミラノは、ルネッサンス文化の絵画や彫刻を数多く生み出した芸術の都。松山修平さんは、その本場で画家として創作活動を続けています。
27年前、松山さんは絵の勉強をするため、単身イタリアに渡ってきました。渡伊3年目、ペルージャの美術学校に通っていた頃、初めて開いた個展で自分の絵が売れた時、松山さんはイタリアで生きていく決心をしました。
修平さんと妻の真理さんが出会ったのはその2年後。真理さんがイタリア語を学ぶため、ペルージャの語学学校に留学していたときに知り合い、半年で結婚を決めました。松山さんは、当時はまだ画家としては無名だったので、絵はほとんど売れず、生活のために通訳をしたり、空手や野球のコーチをしてお金を稼ぎました。
松山さん夫婦には3人の息子さんがいます。現在長男の直樹くんはイギリスの大学に留学しているので、次男の達彦くんと龍平くんの4人で暮らしています。息子さんたちは、3人ともそれぞれ自分の夢をしっかりと持ち勉強に励んでいます。特に次男の達彦くんは、お父さんの影響を受けて、彫刻の勉強して芸術家になりたいという夢を持っています。松山さんの自慢の息子さんたちなのです。
そんな松山さんの転機は今から12年前の1991年のこと。
何人もの若手芸術家を発掘し世に出してきた、有名な美術愛好家カルロ・カリアーニさんに認められたのです。カリアーニさんのバックアップにより、松山さんは大規模な個展を開けるようになり、広く名が知られるようになりました。今では長男の留学費用も援助してくれるなど、カリアーニさんは家族同然の存在です。
松山さんの絵は、具体的な形は表現せずに心の中の景色を再現する心象風景画です。技法もユニークです。松山さんが絵を描く時は、まずキャンバス作りから始まります。ベニア板に白い石膏を塗り、表面に微妙な模様を作るのです。そのキャンバスの上にアクリルや水彩絵の具で色をのせていきます。そして、薄くのばした糊で紙を貼り付けていきます。絵の具とは違う質感を生み出す技法なのです。通常、松山さんは一枚の作品を5日程度で仕上げています。
松山さんは大切な個展を控えていました。ミラノから車で3時間ほど南下したフェッラーラという町の現代美術館でそれは行われます。フェッラーラは人口約2万5千人の町ですが、美術館は7館もあるほどの芸術の町です。
目の肥えた人々が多く住む町で、初めての美術館での大規模な個展ということで、松山さんにも気合が入ります。
個展初日、開場されると同時にたくさんのお客さんが入ってきました。
この日来場したお客さんの数はおよそ250人!予想以上の大盛況です。
会場で一緒に見守っていた真理さんや息子さんたち、そしてカリアーニさんの喜びもひとしお。
松山さんの半年間の努力が実りました。
松山さんの繊細でやさしい絵は、これからもっと多くの人々に目に触れていくのでしょう。
TV-Asahi