←バックナンバーINDEX

#022 2003年3月8日放送
国  名:イギリス
ロンドンで俳優として活躍する日本人
〜大役にかける夫と、見守る妻の思い〜


TV-Asahi
楠原さん一家プロフィール
楠原映二(58歳)
  京子
放 送 内 容
今回の地球家族は、イギリスはロンドンで俳優として活躍している楠原映二さんとその妻、京子さんのご夫婦。楠原映二さんはロンドンで役者になって今年で28年になります。楠原さんは高校卒業後、東京キッド・ブラザーズに所属していましたが、公演でイギリスを訪れたときにロンドンに魅せられ、そのままロンドンに在住し、小さな劇団に所属して活動の場をヨーロッパに移しました。その後、日本人役でテレビやCMなどに出演するようになり、これまでに「スーパーマン」「スタウォーズ」「エレファントマン」「アイズワイドシャット」など、数多くのメジャーな映画にも出演しています。




奥様の京子さんは、イギリスに渡って12年。バッグとインテリアのデザイナーです。その作品は古着の着物地を素材にしたもので、ロンドンの他、アメリカやイタリアでも売られ、今ではミラノコレクションにも参加するほど。チャンスを求めてロンドンにやってきた京子さんは、今ではデザイナーとして成功し、アシスタントも二人抱える程の忙しい毎日を送っているのです。




楠原さんは現在新しい舞台の初日を間近に控え、毎日稽古に励んでいます。出演するのは、ロンドンを舞台に都会での人間模様を歌と芝居で描いた作品で、役はホームレスを主人に持つ犬。鳴き声以外の台詞はなく、顔の表情と動きだけで人間の気持ちを代弁するという難しい役どころなのです。しかもこの公演は、関係者に評価されれば次のチャンスにつながる大切な舞台、失敗するわけにはいきません。訳あって急遽頼まれた仕事なので、練習する期間が大変少ないことが、さらにプレッシャーとなって楠原さんにのしかかります。




京子さんはこの舞台の衣装担当でもあります。衣装あわせのために稽古場にきた京子さんは、じっと楠原さんの演技を見つめていました。
帰宅後、京子さんは見て感じたことを楠原さんに伝えました。楠原さんは「そうは言っても・・・」と言い訳をしながらも、妻の言葉に耳を傾けました。お互いを尊重しているからこそ結ばれる信頼関係。




いよいよ舞台の初日がやってきました。客席は開場と同時にほぼ満席です。あとは自分の力を信じて、これまでの成果を見せるだけです。
そして開演。楠原さん演じる犬が、登場人物の内面を浮き彫りにしていきます。1時間半後、悲しいクライマックスとともに幕が降りました。
初日を無事に終えた感激が舞台関係者たちを包み込んでいます。
手ごたえはあったようです。
みんなが抱き合って喜びを分かち合っていました。楠原さんと京子さんもひと時の間美酒に酔いしれ、家路につきました。
それぞれの夢に向かって、お互いを支えあいながら進んでいる二人には、木枯らしさえも追い風になっているようでした。


TV-Asahi