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#021 2003年3月8日放送
国  名:アメリカ
グアムの大自然に魅せられた日本人
~人生のどん底からトレッキングツアーガイドへ~


TV-Asahi
芳賀さん一家プロフィール
ケン・芳賀(52歳)
悦子(42歳)
康介(15歳)
俊介(14歳)
たける(5歳)
放 送 内 容
今回の地球家族は、グアムでトレッキングツアーガイドをしているケン・芳賀さんとその家族。
トレッキングとは自然を楽しみながら山を歩くこと。芳賀さんはグアムでただ一人、ガイドの仕事をしているのです。
芳賀さんはもともとニューヨークで役者をしていました。11年前の1992年に悦子さんと結婚。その後、テレビ番組のコーディネータとして華々しく活躍し、東京で事業を立ち上げました。しかし事業は失敗。生活は一転し、デパートの販売員や工務店勤務など、様々な職を転々するようになりました。三男が生まれた1997年、居る場所も夢もない日本を離れ、知人のいるグアムにやってきました。その決断は一家にとっては大きな賭けでした。




グアムの大自然はぼろぼろになった芳賀さんの心を癒してくれました。
自分を変えてくれた大自然を多くの人々に知って欲しいーそんな気持ちからガイドをはじめたのです。一見か弱い花も力強く生きるたくましさを持っています。芳賀さんは「ネバーギブアップ」の精神を改めて大自然から学んだのです。




グアムでは夫婦共働きが珍しくありません。その例にもれず、悦子さんも日中は働いています。しかし、午後3時には仕事を中断し、学校へ子供を迎えに行きます。スクールバスの通らない地区に住んでいるからです。
長男次男をピックアップした後は三男の通う幼稚園へ行き、家まで送ると悦子さんすぐに仕事に戻ります。
グアムにやってきたのは長男次男が小学生の頃。両親の決断に、二人ともいやな顔一つ見せずに従いました。グアムにきてしばらくは言葉や習慣の問題でなかなか友達もできず、日本が恋しくなることもありましたが、今では自然豊かで自由なグアムの生活にすっかり慣れました。




芳賀さんは地元の中学校で、不登校などの問題を抱えるクラスに課外授業のトレッキングをボランティアで教えています。大自然の中で生きる喜びを見つけて欲しい、と、担任の先生とコースの打ち合わせに余念がありません。
生徒の中には、嫌々参加する生徒も珍しくありません。この日も一人、ロイ君がそうでした。
しかし、川や谷を渡ったり、がけを登ったりするうち、だんだんと興味を示し始めました。
最後のクライマックスは滝壷への飛込みです。先生がお手本を示し、生徒たちが次々と飛び込んでいきます。みんな嬉しそうにはしゃいでいます。ロイ君は初参加と言うこともあり、なかなか飛び込むことができません。皆から激を飛ばされますが、足がすくむのです。
誰も強制はしていないのでいやならばやめてもいいのですが、ロイ君はやめようとはしません。なんとか飛び込もうとしています。皆が見守っています・・・すると、足を踏み出しました。ジャンプ!
大自然がロイ君に自身と笑顔を与えてくれました。
「自然と触れ合う時間が楽しみで不登校の子供たちも学校に来てくれるようになる。泳ぐことができれば、読むことだってできる。それが生きる自信につながる。」と担任の先生も満足そうでした。




2月14日はいつもと違うトレッキングが計画されていました。悦子さんの誕生日なのです。今まで一度もトレッキングに参加したことのないお母さんに、その楽しさを教えてあげようとみんなでコースを考えたり、プレゼントを用意したり、計画を練りました。
雄大なグアムの大自然の中を進んでいきます。歩きにくいデコボコ道も切り立った崖も、みんなで力を合わせれば進んでいけるのです。
目的地に着いた後、子供たちからお母さんにプレゼントが渡されました。それは指輪。お母さんはおばあさんの形見の指輪を無くしてしまっていたのです。指輪を無くすほど悦子さんは忙しかったのです。そんなお母さんをすこしでも元気付けようと、ケンさんと子供たちは似たような指輪を探したのでした。
悦子さんにとって、これまでで一番嬉しい誕生日となりました。
グアムの大自然と、ポカポカの太陽が家族みんなを祝福していました。


TV-Asahi