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#019 2003年2月15日放送
国 名:トルコ
トルコで伝統織物に魅せられた日本人女性
~夫の大きな夢を支えて~
TV-Asahi
阿見さん一家プロフィール
斎藤裕文(44歳)
幾美(39歳)
亜藍(あらん)(2歳)
放 送 内 容
今回の地球家族は、トルコはアンタルヤで伝統織物「キリム」のお店を経営している斎藤幾美さんとその夫の裕文さん、そして2歳になる亜藍くんの3人家族です。
幾美さんは10年前トルコに旅行で来たときにキリムに出会い、その魅力に魅せられました。キリムとは、トルコの伝統織物の一つで、高級品のトルコ絨毯よりは手頃な、毛足のない平織りの織物です。キリムはトルコの人々にとっては生活に欠かせない必需品で、カーペットやカバーに使われています。
日本でのOL生活に疲れていた幾美さんは、そのトルコ旅行でのキリムとの出会いをキッカケに一念発起し、トルコ語を猛勉強しました。そして、7年前、ついにアンタルヤにキリムのお店を構えることができました。キリムは、何人もの仲買人から買い付けなければ手に入れることができず、織られた年代や産地、デザインなど、品質を見極める力が問われる大変厳しい仕事です。
しかも、トルコ市内には数え切れないほどの絨毯やキリムのお店が軒を連ねています。しかもお客さんは地元の人々がほとんどです。日本人の幾美さんがトルコでキリムを売るのは、トルコ人が日本で畳を売るようなもの。その中で売上を伸ばしていくのは並大抵の努力では難しいものがあります。経営はなかなか軌道に乗らず、一枚でも多く売るために夜遅くまでお店を開けておくことも少なくありません。
幾美さん夫婦は、裕文さんが幾美さんのお店を偶然訪れたことがきっかけで出会いました。出会って3年目の1999年に結婚しました。
現在、家事や育児は裕文さんの仕事です。食事の支度はもちろんのこと、2歳の亜藍くんのおしめを替えたり、掃除洗濯にいたるまで裕文さんの仕事です。しかし一見逆転夫婦に見えるこの夫婦、本当は幾美さんが裕文さんを内助の功で支えているのです。
実は、裕文さんは画家。10年前、裕文さんはトルコを拠点に精力的に創作活動をしていました。
当時は画家仲間からも注目された存在だったそうです。しかし、現在はスランプの真っ只中で、思うように筆が進まないのです。
幾美さんは、そんな裕文さんを少しでも勇気付けようと、自分で織ったキリムでつくったものを裕文さんの誕生日に贈ることにしました。織物を扱っていても自分で織るのは初めての経験です。毎日夜遅くまで機織り機に向かい、ひと糸ごとに思いを込めて織っていきました。
そして、バースデーパーティの日。自分の誕生祝いとは知らない裕文さんは、連れられてきたレストランでたくさんの友人たちによるお祝いにびっくり!裕文さんにとっては、何十年ぶりかの盛大な誕生パーティだったのです。
そして幾美さんからの心のこもったプレゼント。それは一ヶ月以上もかけて作られたキリムのカバンでした。
トルコで夢をつむぐ斎藤さん一家。その絆はこのキリムのように美しく、決して綻びることはないでしょう。
TV-Asahi