【ch2】フランスラグビーリーグTOP14 第16節ラ・ロシェル×RCトゥーロン みどころを詳しく解説!

第16節 ラ・ロシェル VS RCトゥーロン

2月22日(日)23:22~

AFP/アフロ

〈見どころ・概要〉

フランスが誇るラグビー世界最高峰のプロリーグ「TOP14」。昨年8月24日の開幕からちょうど半年が経ち、すでに全26節からなるリーグ戦の後半戦に突入している。現在は欧州6カ国対抗戦、シックス・ネーションズの最中で(3月14日まで開催)、フランス代表選手は不在だが、代表歴のあるベテラン、これから代表を目指す逸材、そして南半球の強豪国のスター選手たちが激闘を繰り広げ、熾烈な順位争いを行っている。
プレーオフに進出できるのは全26節を終えた時点の上位6チームで、第14節終了時点の6強は以下のとおりだ。
1位/リヨン(勝ち点49)
2位/ボルドー・ベグル(勝ち点47)
3位/ラ・ロシェル(勝ち点37)
4位/ラシン92(勝ち点37)※勝利数でラ・ロシェルを下回る
5位/RCトゥーロン(勝ち点36)
6位/トゥールーズ(勝ち点34)
第13節まで首位を走っていたボルドー・ベグルは2位に陥落したが、1位のリヨンとともに一歩、二歩抜け出している。3位以下の4チームは勝ち点わずか3点差の中にひしめき合っており、第16節で対戦するラ・ロシェル(3位・勝ち点37)とRCトゥーロン(5位・勝ち点36)の勝ち点差もわずか1。いずれも勝ち点を上乗せするためにも、また相手に勝ち点を取らせないという点でも、この直接対決は両チームにとって非常に大きな一戦となる。
今季の両者の初対戦は昨年10月6日(日)の第6節。RCトゥーロンが23-3でスタッド・マヨル(トゥーロン)でのホームゲームを制した。両チーム合計3枚のイエローカードが出る荒れた試合となったが、ラ・ロシェルをノートライ(1PGのみ)に抑えたRCトゥーロンが完勝。今回ホームとなるラ・ロシェルはそのリベンジを果たし、プレーオフトーナメントでシードとなる2強を目指したい。

 

■【ホーム】ラ・ロシェル(スタッド・ロシェル)

ヴィクター・ヴィト(中央) 写真:AFP/アフロ

・クラブ創設/1898年
・本拠地/スタッド・マルセル・デフランドレ(ラ・ロシェル)
・主な記録/TOP14優勝0回
2016-17シーズン リーグ戦1位 ※プレーオフ準決勝敗退
・第14節現在の順位/3位(8勝6敗・勝ち点37)

 

2016-17シーズンにリーグ戦で1位となり(プレーオフ準決勝で敗退)、2018-19シーズンにもプレーオフに進出するなど、一躍強豪への仲間入りを果たしたラ・ロシェル。当時、ヘッドコーチとしてチームを率いていたパトリス・コラゾ(2011年から2018年までラ・ロシェルを指揮)が、現在

のRCトゥーロンの指揮官という因縁がある。

フランス西岸、ビスケー湾に面した港町ラ・ロシェルが本拠地で、地元ファンからこよなく愛されている伝統あるクラブ、今季も3位(第14節終了時点)につけており好調を維持している。

チームの原動力となっているのは、フランス代表経験者の左PRダニー・プリソ、右PRウィニ・アトニオ、HOピエール・ブルガリ、FLケヴィン・ゴードンら強力なFW陣と、SOジュール・プリソン、アウトサイドCTBジョフレー・ドゥメルといった堅実なBK陣だ。さらに、海外出身の有力選手も多く、リーグ戦1位となった2016-17シーズンの最優秀選手に選ばれたNo.8ヴィクター・ヴィト(元ニュージーランド代表)を筆頭に、SHタウェラ・カーバーロー(元ニュージーランド代表)、WTB/FBキニ・ムリムリヴァル(元フィジー代表)といった世界的プレーヤーもチームの核となっている。

チームを率いるのは、元アイルランド代表SOのレジェンドであるローナン・オガーラ。今季1年目にして上位をキープし続けているのはその指導力の表れと言えるだろう。アウェイで敗れたRCトゥーロンに、ホームで借りを返したい。

 

■【アウェイ】RCトゥーロン

エベン・エツベス(中央) 写真:AFP/アフロ

・クラブ創設/1908年
・本拠地/スタッド・マヨル(トゥーロン)
・主な記録/TOP14優勝4回
      ヨーロピアンズラグビーチャンピオンズカップ優勝3回
・第14節現在の順位/5位(7勝2分け5敗・勝ち点36)

 

世界中の名選手が集結するレアル・マドリードに形容される、ラグビー界の「銀河系軍団」がRCトゥーロンだ。フランスの数ある人気クラブの中でも屈指の年俸の高さで知られている。
漫画の出版で財を成した地元トゥーロン出身のムラド・ブジェラル会長が、2006年にチームのオーナーとなってからその傾向は顕著になり、SOジョニー・ウィルキンソン(元イングランド代表)、CTBタナ・ウマガ(元ニュージーランド代表)、CTBマア・ノヌー(元ニュージーランド代表)、WTBブライアン・ハバナ(南アフリカ代表)といったレジェンドがこれまで活躍してきた。元日本代表FB五郎丸歩も2016-17シーズンに在籍し、レギュラーに定着はできなかったもののチームに貢献した一員となった。
その2016-17シーズンと、翌2017-18シーズンはともにリーグ戦4位。だがラ・ロシェルからRCトゥーロンに移ったパトリス・コラゾ ヘッドコーチが就任した2018-19シーズンは9位に終わり、プレーオフ進出を逃した。2013-14シーズンのTOP14優勝(ヨーロピアンズラグビーチャンピオンズカップは2012-13、2013-14、2014-15と3連覇)を最後にタイトルから遠ざかっているだけに、5位と好位置につけている今季は6シーズンぶりの戴冠をものにする絶好のチャンスと言える。
離脱と加入が相次ぎ、大きく選手が入れ替わった今季も依然として世界の大物が数多く在籍している。第14節のリヨン戦だけでも、昨年のワールドカップで優勝に貢献したLOエベン・エツベス(南アフリカ代表)、FLファクンド・イサ(元アルゼンチン代表)、今季スタッド・フランセから移籍してきたNo.8セルジョ・パリッセ(イタリア代表)、CTB/WTBジュリアン・サヴェア(元ニュージーランド代表)といった、かつてワールドカップで活躍してきた豪華なメンバーが並んでいる。シックス・ネーションズに合流しなかったNo.8パリッセを筆頭にベテランが多いが、チームの成績が彼らの健在ぶりを示していると言えよう。
一方で、左PRセバスチャン・タオフィフェヌア、HOフリストフ・トロフア、FLラファエル・ラカフィアといった元フランス代表選手もFWを力強く支えており、こうしたインターナショナルプレーヤーがチームの好調を支えている。昨年のワールドカップではバックアップメンバーに留まった若手SOアントニー・ベローなど、将来フランスラグビー界を背負って立つであろうBK陣にも注目だ。

 

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