[2018年06月03日]
第38話「マッドな世界」

「俺は葛城……葛城巧だ」
 エボルトから解放された戦兎(犬飼貴丈)だったが、戦兎ではなく葛城巧の記憶を取り戻していた。ショックを受ける龍我(赤楚衛二)だったが、完全体のブラックホールフォームとなったエボルを放っておくわけにはいかない。幻徳(水上剣星)、一海(武田航平)とともに再変身、3人でエボルブラックホールに襲い掛かるが、完全体の恐るべき力になす術もなく圧倒され撤退を余儀なくされる。

 パンドラボックスから新たなボトルを精製、さらに強大な力を手に入れたエボルトは石動(前川泰之)に擬態し、難波会長(浜田晃)に自らが国のリーダーになると宣言する。エボルトの裏切りに難波の怒りは頂点に達して…。

 すっかり葛城となってしまった戦兎は、龍我を「エボルトの遺伝子を持つ」危険人物と敵視。美空(高田夏帆)や紗羽(滝裕可里)らに対しても仲間意識を捨て、“悪魔の科学者”らしくクールに対応をする。幻徳は“葛城巧”に対してライダーシステムを軍事利用したことを後悔、国を建て直すために戦うと、生まれ変わった今の思いを伝えるが、戦兎=葛城はライダーシステムはエボルトを倒すためのもの、そのための犠牲もやむを得ないと思えるほど自分は悪魔に魂を売った、と幻徳を突き放す。

 エボルトから難波を裏切り仲間になれと言われた内海(越智友己)は、エボルトを倒すために力を貸してほしいと幻徳に泣きつく。西都のために戦うことなどできない、と突き放す幻徳だが、内海の言うことにも一理ある。龍我も幻徳の思いを受け入れるが、一海は仲間と故郷を奪った西都とは戦えないと拒否する。

 エボルトの要求を拒否した難波会長が、さらに強化されたリモコンブロス、エンジンブロスらを使い、エボルトに戦いを挑む。石動=エボルトはエボルブラックホールに変身、あっという間にリモコンブロス、エンジンブロスを追い込んでいく。

 そこへビルドラビットラビット、グレートクローズ、ローグが合流。リモコンブロスらをサポートする。しかし、葛城となった戦兎にビルドラビットラビットは扱えず、新たなボトルも使えないままエボルブラックホールの攻撃に変身解除に追い込まれる。

 勢いづいたエボルブラックホールはエンジンブロスを消滅させると、クローズマグマをも圧倒し変身を解除させてしまう。トドメを刺されそうになった龍我だったが、その時ヘルブロスが龍我の盾になり、強烈な一撃を浴びて消滅してしまう。

 戦いの場から瞬間移動したエボルブラックホールは難波の前に現れると、命乞いする難波をあっという間に消滅させる。ショックを受ける内海はエボルブラックホールから難波の遺品となった杖を渡されると、難波の復讐を果たすのか、俺に忠誠を誓うのか選べと迫る。

 難波の杖を手に俯いて肩を震わせていた内海は、不気味な笑いを浮かべて顔を上げる。
「ならば、答えは一つ!あなたに忠誠を誓おう!」
 杖をへし折った内海はエボルブラックホールからエボルドライバーを受け取って装着。ボトルを挿入し、仮面ライダーに変身した!

「さあ、存分に戦え!仮面ライダーマッドローグ!」
 エボルブラックホールの叫びとマッドローグの高らかな笑いが、茫然とする戦兎らの耳に響きわたり…。

脚本:武藤将吾
監督:山口恭平
アクション監督:宮崎 剛(ジャパンアクションエンタープライズ)
特撮監督:佛田 洋(特撮研究所)