[2018年05月06日]
第34話「離れ離れのベストマッチ」

 氷室首相(山田明郷)の命を奪った仮面ライダーエボルと対峙した戦兎(犬飼貴丈)、龍我(赤楚衛二)、一海(武田航平)は、ビルド、クローズマグマ、グリスに変身。エボルに戦いを挑むが、攻撃がまったく通じない。ビルドを狙ったエボルは強烈な一撃を見舞うと、変身を解除。倒れ込んだ戦兎は地球上に存在しない毒に冒されてしまう。

 病院に運ばれた戦兎だが、毒の成分がわからないため手の施しようがない。このままでは死を待つばかりだ。そこへ石動(前川泰之)から電話が入り、戦兎の命を救う代わりにパンドラボックスと東都にあるすべてのフルボトルを渡せという。美空(高田夏帆)に憑依したベルナージュの力も封じ込まれ、万策尽きた龍我は取引に応じることに。

 パンドラボックスの保管場所でフルボトルの到着を待つ間に、石動は龍我に冤罪事件の真実を打ち明ける。すべては石動に憑依したブラッドスターク=エボルトが仕組んだことではあったが、実は事件当日、戦兎の以前の姿=葛城巧(木山廉彬)がスタークと龍我の正体がエボルトであることを見抜き、ビルドに変身して倒そうとしていたという。つまり戦兎は龍我にとって自分を殺そうとしていた人間だった…。衝撃的な事実を突きつけられた龍我は激しく動揺する。

 とはいえ、今は戦兎を救わなければ。苦しむ戦兎を連れた一海によって運ばれたフルボトルを手に「ボトルを渡す前に戦兎を治せ」と迫る龍我だったが、石動=エボルトは、自分を倒さなければ戦兎の毒は消えないと笑う。龍我と一海はクローズマグマとグリスに変身、石動もエボルに変身し、激しくぶつかり合う。

 力を合わせエボルを攻撃するクローズマグマとグリス。さすがのエボルも2人の攻撃に押されるが、態勢を立て直すとまずはグリスに強烈な一撃を放ち変身を解除。クローズマグマは毒に苦しむ戦兎を確認すると、怒りを増幅させエボルに襲いかかる。

 ハザードレベルを上げていくクローズマグマの攻撃を受け止め、嬉々とするエボル。改めてクローズマグマ=龍我が人間ではなく、何千何万の命を奪ってきたエボルトの一部だと言い放つ。そして強烈な一撃でクローズマグマの変身を解除させてしまった。

 倒れた龍我はそれでも「お前を倒して戦兎を助ける…」と、再びクローズマグマへと変身しようとする。が、一海は強制的に変身を解除した後の再変身は危険だ、と静止する。しかし、自分を信じてくれた、自分の生き方を変えてくれた戦兎をこのまま死なせるわけにはいかない!龍我は苦しむ戦兎に目をやり「後は頼んだ」と囁くと、「ヒーローは俺だ!」とクローズマグマへと再び変身する。

 炎に包まれながらも阿修羅のようにエボルに襲いかかるクローズマグマ。ハザードレベルはさらに上昇、エボルを次第に追い詰めていく。そして、ハザードレベルが5.0にまで到達した瞬間、クローズマグマとエボルは互いのライダーパンチを激突させる。
2人の間に閃光がほとばしり、一海らは眩しさに目を覆う。

 目を開けるとエボルの姿が消え、変身を解除した龍我が立っていた。
「エボルに勝ったのか…?」
 が、戦兎の毒は消えず、まだ苦しんでいる。いったいどういうことなのか?

 その時、龍我は戦兎に手をかざし、戦兎の毒を消してしまった。
「敵に塩を送るなんて優しいだろ?」
 龍我の口から出た驚くような言葉、その声はエボルトのものだった。

 驚く戦兎らの目の前で龍我はエボルドライバーにドラゴンエボルボトルを挿入。仮面ライダーエボルドラゴンフォームへと変身する。
「フェーズ2、完了!」
 ついに龍我がエボルトに…!?

脚本:武藤将吾
監督:柴﨑﨑貴行
アクション監督:宮崎 剛(ジャパンアクションエンタープライズ)
特撮監督:佛田 洋(特撮研究所)