石動(前川泰之)から戦兎(犬飼貴丈)に、氷室首相(山田明郷)の身柄と引き換えにエボルドライバーを用意しろ、という電話が入る。エボルドライバーはビルドドライバーの原型で戦兎=葛城巧(木山廉彬)の父・葛城忍が携わった貴重な物だという。石動によると、戦兎が記憶を失う前にエボルドライバーをどこかに隠したというのだが…。
戦兎は父・葛城忍の研究データからエボルドライバーに関する記述を発見。それによるとエボルドライバーはエボルトが究極の姿になるために作られたものらしい。エボルトと言えば、美空(高田夏帆)に乗り移った火星の王妃ベルナージュは「パンドラボックスが火星を滅ぼした、エボルトの手によって」と言っていたが…。さらに葛城忍のデータから、地球外生命体のエボルトは宇宙飛行士だった石動が火星でパンドラボックスを発見した際、その身体を乗っ取っていたことがわかった。つまり石動はエボルトに身体を支配されているだけで、元の人格が残っている可能性がある…。
石動に憑依し地球に降り立ったエボルトはパンドラボックスの力を使って火星と同じように地球を滅ぼそうとしたが、パンドラボックスが思うように開かずスカイウォールを作り出すだけに終わってしまった。エボルトは病院に連れて行かれたものの、その後脱走。パンドラボックスの責任者の葛城忍と接触していた。葛城忍は火星で発見されたエボルドライバーを復元したらしい。
エボルドライバーは、パンドラボックスのエネルギーを最大限に使うことができ、宇宙を支配できる究極のベルト、と書かれている。葛城巧はその力を危険と判断、どこかへ隠したようだ。
幻徳(水上剣星)が父・氷室首相を密かに逃がそうとする。息子の思わぬ行動に驚く氷室首相に、幻徳は自らの目的は国を一つにすることだという。そのために幻徳はファウストを作ったが、己の欲望を優先させてしまい失敗。そんな自分に後戻りはできない、と父にその夢を託そうとしているらしい。
しかし、ブラッドスタークに見つかってしまい計画は失敗。スタークは幻徳がネビュラガスを注入し仮面ライダーになったことで、パンドラボックスの光による好戦的な気質が失われたと指摘する。体内に埋め込まれたチップがある限り、スタークの呪縛から逃れられない幻徳だったが…。
戦兎は変換装置からエボルドライバーを発見。さっそく組み立てに取り掛かる。これを石動=エボルトの手に渡しては地球が滅びる可能性もあるが、氷室首相を救うためには仕方がない。
戦兎と龍我(赤楚衛二)は完成させたエボルドライバーを手に、スタークが待つ場所へと現れる。先にエボルドライバーを渡せ、というスタークだったが、突如現れたローグが氷室首相の身柄を確保する。スタークはすかさず小型装置でチップに信号を送るが、幻徳から「親父を助けたい」と泣きつかれた戦兎がチップの信号を変えていた。
力づくでエボルドライバーを奪おうとするスターク、戦兎はビルドラビットラビットに、龍我はクローズマグマに変身。合流したグリスとともに激しい戦いとなる。その隙に氷室首相はエボルドライバーを手に、車を用意した美空と紗羽(滝裕可里)のもとへと走るが、そこへスタークが現れた。スタークの動きを察知していたローグもやってくると「俺が相手だ」と立ちはだかる。
ローグの激しい攻撃についにスタークは変身を解除、石動の姿へと戻ってしまう。苦しむ父の姿に思わず駆け寄ろうとした美空、その隙をついた内海(越智友己)は美空の手からエボルドライバーを強奪。「すべては難波重工のために!」とドライバーを石動に投げる。
エボルドライバーを受け取った石動は、2本のエボルボトルを挿入。「変身!」の声とともに、仮面ライダーエボルへと変身する。
エボルはローグの攻撃を軽く受け止めると、圧倒的なパワーでローグを一蹴。変身を解除させてしまう。そんな幻徳にトドメを刺そうと強烈な一撃を放つエボル。が、その攻撃を息子を庇った氷室首相がまともに受けてしまった。
思わぬ父の行動に「親父!しっかりしろ!」と取り乱す幻徳。そんな息子に氷室首相は「罪を償って、この国をもう一度建て直すんだ…」という言葉を残し息を引き取る。
「親父!うおおおおお!」
後には幻徳の悲痛な叫びが響き渡るだけだった。