ストーリー

[2018年04月08日]
第30話「パンドラボックスの真実」

 「我が名はベルナージュ。火星の王妃…」
“ベルナージュ”に憑依された美空(高田夏帆)は、ブラッドスタークをも凄まじいパワーで吹き飛ばし変身を解除させてしまう。石動(前川泰之)は美空に向けて炎を放つが、クローズチャージが庇い難を逃れる。クローズチャージはドライバーのゼリーが焼け変身を解除。“ベルナージュ”の不可思議なパワーでビルドらは一瞬にしてその場から消え去る。

 nascitaに戻った戦兎(犬飼貴丈)らだが、美空は“ベルナージュ”になったまま。その“ベルナージュ”によると、「パンドラボックスが火星を滅ぼした…エボルトの手によって」という。エボルトとは何者なのか?そして、龍我(赤楚衛二)に「お前が希望になる…」と謎めいた言葉を残し意識を失ってしまった。

 “ベルナージュ”の言葉を整理する戦兎らだったが、謎は深まるばかり。ただ、戦兎は龍我が希望になるという言葉に引っかかる。冤罪事件の犯人に仕立て上げられた龍我が、なぜ誰よりも速くハザードレベルを上げるのか。と、その時、龍我の手の中にあった黒焦げになったゼリーが発熱、黒いフルボトルらしきものが現れた。龍我の不思議な力が気になった戦兎は、紗羽(滝裕可里)に龍我のことを調べて欲しいと依頼。戦兎は龍我のスクラッシュドライバーに代わる強化アイテムの作成に取り掛かる。

 意識を取り戻した美空は、戦兎から“ベルナージュ”のことなどを聞かされる。身体が乗っ取られていても安心感がある、という美空だが、その“ベルナージュ”は自らの魂さえ消滅する可能性があると言っていた。“ベルナージュ”が消えてしまっては西都がまた攻めてくる。戦兎はそうなる前にパンドラボックスを取り返し、“ベルナージュ”に代わる抑止力にすると言う。が、パンドラボックスを取り返すには西都を“侵略”しなければならない。美空から指摘され「やっぱダメかぁ」という戦兎だが…。

 東都政府がビルドに国家反逆罪を適用、ビルドの軍事兵器の起用を解除した。突然のニュースに驚く龍我、美空、一海(武田航平)。実は戦兎は氷室首相(山田明郷)から1ドルク札をもらっていたが、それを強奪としたとしてわざと解雇されていた。東都の軍事兵器という肩書きを失うことで単身、西都に攻め込む、という作戦だった。

 パンドラボックス奪回のため、パンドラタワーへ潜入しようと戦うビルド。そこへ龍我と一海が現れた。龍我らは氷室首相からすべての事情を聞き、ビルドから1ドルク札を取り返すよう指示されていた。さらにビルドからパンドラボックスを奪えとの命令も。戦兎の作戦を知った氷室首相は、それとなく龍我と一海を援軍として送り込んだのだった。

 龍我はクローズに、一海もグリスに変身。3人は合体し巨大化したハードガーディアンを撃破し、パンドラタワーの内部へと攻め込む。状況を察知した御堂首相(冨家規政)となった難波会長は返り討ちを指示。「パンドラボックスの力で世界をねじ伏せ、未来永劫に続く難波帝国を築いてやる」と雄叫びをあげる。そんな様子を東都に攻め込むことに反感を抱く幻徳(水上剣星)が密かにうかがって…。

 ビルドはパンドラタワーの中でリモコンブロス、エンジンブロス、ハードガーディアンと激しく戦う。クローズは戦兎が新たに開発した強化アイテム、マグマナックルで次々と敵を圧倒。しかし、スタークは別室でパンドラボックスを操り、タワーの部屋を生きているかのように次々に変化させる。壁や床の変化に動きを封じられたビルドらは思うように攻撃できない。
 それでもマグマナックルを手にしたクローズは苦境を跳ね返し、恐ろしいまでのパワーで敵を圧倒する。

 その頃、龍我の調査を終えた紗羽が秘密基地へ帰ってきた。とんでもないことがわかった、と美空の前で表情を固くする紗羽。そして衝撃的な言葉を口にする。
「万丈は、人間じゃないかもしれない…」

脚本:武藤将吾
監督:上堀内佳寿也
アクション監督:宮崎 剛(ジャパンアクションエンタープライズ)
特撮監督:佛田 洋(特撮研究所)

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