緊急地震速報は地震の発生直後に、震源に近い地震計で捉えた観測データから各地の揺れの大きさや時刻を推定し、揺れが来る前に一般に知らせるものです。
地震が発生するとP波と呼ばれる初期の小さな揺れが発生した後、S波と呼ばれる大きな揺れが来ます。 P波は秒速7~8キロの速さ、S波は秒速3~4キロの速さです。 スピードの速いP波を観測、解析することで、大きな揺れであるS波が到達する前に、 揺れがおきる地域や震度を一般に知らせることが出来ます。
緊急地震速報の基となるデータは気象庁が送信していますが、あくまで被害を減らすことが目的であり、利用には注意が必要です。
緊急地震速報では、情報を発表してから強い揺れが到達するまでの時間が 長くても十数秒から数十秒と極めて短く、直下型地震など震源に近いところでは 情報が間に合わないことがあります。
緊急地震速報では、これから来る地震の強さを完全に予測できるわけではなく、 震度で±1程度の誤差が起きる可能性があります。 最初に来る小さな揺れを頼りに大きな揺れを予測するため、正確性に欠けるからです。
気象庁が送信するデータは 誤報(実際に起きていない地震データ)が発信されないよう2ヶ所以上で地震波を観測することが要件となっています。 ただし、誤報が全く無いとは保証出来ませんし、放送システムが誤動作する懸念もあります。