今月の半ばで蓮々は五か月になった。
四月の終わりにマスターした寝返りを駆使して、これまで零に近かった行動範囲を周囲一メートルぐらいに広げている。
一人遊びも随分上手になって、最近は買い物袋のカサカサ音≠ノ飽きがきたのか専ら風船遊びに夢中になっている。
仕事場の一画にキッズスペースをつくってそこに蓮々を転がしておくのだが、足に触れた風船を器用に両足で捕まえて目の前に持ってきたりする。
「足癖のつよい柔道選手になりそうだな」
と、勝手に思いながら見ている。
たったそれだけのことでそう思えるのだから紛れもない親馬鹿であり、また子供はそういう魔力を持った存在でもある。
一端を御披露したのでそのまま更に親馬鹿ぶりを発揮させて頂くのなら、将来的に強い選手になるだろうという根拠はまだある。
何といっても生後間もない頃からのオナラがまず立派なのだ。
あんなに、
「ズバッ」
と、切り込むような小気味のいい音をだすオナラをする乳幼児には今まで出会ったことがない。
察するに、お腹の力が強いに違いないし消化器系統の働きもしっかりしているのだろう。
消化吸収力があればそれに裏づけてスタミナにも不安は少ないのかもしれない。
「どうやら将来の香川県の女子柔道界を牽引する逸材だな」
とにかく目鼻立ちが嫁にソックリなのだから、気が強いことだけは間違いないし満更可能性がないわけではない。
蓮々の顔を見ていると馳せる想いに限りがない。
我が家の家族全員と血が繋がっている唯一の存在は、今日も過ぎ行く時を忘れさせる。