BeauTV VOCE 毎週金曜深夜1:50～※毎月最終週を除く

今夜のゲストは、黒田エイミさんがMCに就任した去年の春から、番組のオープニングとエンディングで歌っていただいているミュージシャンの坂本美雨さんです。現在、妊娠7カ月。女性として、アーティストとして、挑戦し続ける今の想いをうかがいました！

オープニングソングに秘められた“おまじない”
震えるような美しい声が、聴く人の胸を打つ坂本美雨さん。しかし、坂本龍一さん、矢野顕子さんという偉大な父と母を持つがゆえに、当初はその両親と同じ音楽の道へ進もうとは、すんなり思えなかったと言います。

この道を本気で進もうと思ったきっかけは、16歳の時にSister Mとして匿名でデビューし、自分の好きな音楽の一部になれる楽しさに目覚めたこと。Sister Mとしては最初で最後となったアルバム「The Other Side of Love」は、70万枚を超える大ヒットを記録しました。それから2年ほど経て、本名でデビューすることとなったのです。

これまで10枚のアルバムを出している坂本さんの最新作が、番組のオープニングソングをタイトルにも冠した「Waving Flags」です。実はこのアルバムには、この音楽が鳴っている時だけは自分の大切なひと誰にも悪いことが起こらないという“音楽のおまじない”をかけたのだそう。

「まだ一曲もできていない時から、おまじないをコンセプトに作っていました。今、すごく不安なことや恐いことがたくさんある社会の中、自分のことだけじゃなく、自分の子どもや大切な人のことを心配して毎日生活しなきゃいけない。だから、音楽の中でくらいは絶対大丈夫って、誰かが言いきってもいいんじゃない？って、思ったんです」と坂本さん。「素敵なコンセプトですね」と、エイミさんも大好きな一曲に思いを馳せました。

KANNA式 美しい声の作り方
20代の中盤にさしかかった頃、心や体の変化とともに自分の「歌」を見直さざるを得ない時期があったという坂本さん。そんな時に出会ったのが、数々のアーティストから絶大な支持を集めるボイストレーナーのKANNAさんでした。呼吸をするように、歌を歌う。そんな自然体の中から生まれる美しい声が、今の坂本さんの音楽を形作っています。

今回はエイミさんも、坂本さんの美しい声を作り出しているボイストレーニングを体験！ 声を支える深い呼吸のためのエクササイズも教えていただきました。

(1)正しい姿勢
美しい声を出すための基本は、正しい姿勢から。多くの人は、自然と重心が前になっているため、肩コリも起きやすく、呼吸が浅くなってしまいます。かかとに重心をもってきて、姿勢をまっすぐに戻しましょう。力が入るのは、「みぞおち」ではなく、「丹田（たんでん）」。おへその少し下、下腹の内部にあり、気力が集まるとされている場所です。少し姿勢が変わるだけで呼吸の入り方が変わり、呼吸が深くなって声量も変わってきますよ！

●BOX VOCAL ACCADEMIA KANNA式 三宿スタジオ／東京都世田谷区三宿1-3-21-401

(2)内転筋を鍛える
続いて、正しい姿勢を意識しながら「内転筋」を鍛えます。骨盤を支える内転筋を鍛えることで、姿勢も安定します。

ボール（またはペットボトルなど）を太ももにはさみます。

内側の筋肉だけではさみ込み、すり上げましょう。この時、軸が左右にぶれてしまわないように注意。左右両方の内転筋を、一緒にギュッギュッと使っていきます。大きく息を吐きながら、左右5回ずつ。上へ引っぱられるようなイメージで、内ももでボールを上げ下げしてください。声にも表情筋にも、呼吸の深さにもつながる、インナーマッスルを鍛えるエクササイズです。

(3)滑舌エクササイズ
最後は滑舌が良くなる簡単エクササイズを。まずは、斜めに入っている頬骨のラインに沿って、手をグーにして当てます。

このグーの手を、後頭部へ思い切り押し上げます。声を出せば、その違いがわかるはず。頬骨を押し上げることで軟口蓋（なんこうがい）の空間が広くなり、声がよく響きます。これは声優さんなどもよく行うテクニックで、声をよく響かせて発声する練習になるそう。みなさんもぜひ、美声を磨いてみてくださいね！