峠球四郎
峠球四郎 灘高を首席で卒業し、「必勝東大」と書かれた将棋のコマ型ペンダントを首から提げ、アインシュタインの「量子力学」をズボンの腹に挿しこんだ学ラン姿(インナーは白ランニング)でアストロVSロッテ戦に客席から乱入。ウィスキーボトル片手という酩酊状態での登場に読者全員を「未成年なのに?」と戸惑わせたが、自ら三段ドロップ、殺人L字ボール、スカイラブ投法(もどき)と、球一や無七志の必殺技をたやすく余興ノリで披露することで只者ではない風格をアピール。ほら吹きテイストも払拭する(でも必勝東大だから浪人?)。左腕にボール型のアザを持つ超人であることがその時点で判明するも、人生を野球のタマなどに賭ける暇はない、自分の獲物はタマはタマでも地球だ、「地球のソウジ屋になったるんや」という世紀のビッグ発言をする。 その正体は球界の影の功労者・峠老人の孫。後にビクトリー球団を率いるエースに。アインシュタインを愛読するわりに、秘密特訓場の部屋にはヒトラーの肖像を飾るという矛盾を侵し、ナチス風味の制服で臨んだ日本刀持参の記者会見で、酒をあおりながらアストロ抹殺を宣言する。 野球にこだわることを否定するという、物語を根底からひっくり返しかねない主張をするうえ、恐ろしく投打に長け頭脳も明晰。最強の敵として描かれるが、抹殺計画がひとり芝居に終わるのではと疑問を持ち始めたあたりから、クリーン野球に柔軟に転向。途中登場したバロンとのコンビネーションもあいまって、命をも捨てかねない覚悟でアストロ魂を発揮し始める。死闘の終了間際、峠老人により、球四郎は妾の子であり、その血のため峠家を追われた過去が、己に流れるアストロの血を恨ませていたことも判明する。アストロに敗北後、頭を丸め、続けざまに巨人の黒い真相を知り、ついにアストロ入り。 「自らに頼む、それが超人だ!!」とのセリフは選ばれし者だけの蓋し名言である。