バロン森
バロン森 女性親衛隊音楽団を従え眼帯装備で登場したビクトリー球団の麗しき知将。くりくりロングヘアーにオネエ言葉で「オカマ?!」と疑惑を示唆させつつも「男を泣かすよ!このヒップは」と親衛隊女性のお尻を撫でたり、かと思えば独自の男哲学を説いたりと、自らの性質を強烈な芸風でのらりくらりと攪乱。クリスチャン・ディオールのハンカチを必携し、華道、茶道は免許皆伝で料理上手。愛用するランバンの香水を浴びながら全裸で着替える妖艶な姿は、ビクトリーナインに生唾を飲ませ、また同時に「まけそ〜」とのリアクションを引き出したことからは、そういう方向で「男」としても立派なことも暗に明かす。ちなみに本人は自分の名前がちょっと恥ずかしいらしい。思春期ではあるが、年齢は「ヤボねあなたって」と切り返されるので、聞いてはいけない。 秀でた選球眼を持つことを臭わせながらも、あっけなく見逃しの三振をするなどどこまでもその実力を隠し続けるが、バット6本を膝で一気折りするなどのパワーも見せ、黒豹のごとき瞬発力の守備で潜在能力を開花させると一転。あくなき個人的怨念をモチベーションにする大門と対立し、球七を代表とするアストロたちのバカバカしいまでの完全燃焼ぶりを、時にソフトに、時に猛々しく褒め称えることでビクトリーナインを正道野球へと導き出し、巧みな人心掌握術を発揮する。 ジャコビニ流星打法から球四郎を身を呈して守ってからは、己が超人ではないことを積極的に自覚し、球四郎が持つ真の超人力を引き出すことに専念するが、守備中、フェンスに頭をぶつけた時の打ちどころの悪さが致命傷となり、最後の打席で得点するも、ホームインの際、口と鼻から血飛沫を噴射。一流になることを信条に生きてきた自分でも超人には決して敵わないという胸中を明かしながら、辞世の句を「大部分…盗作」とニヤリと詠んで帰らぬ人となる。「あの世じゃ一番の男になってみせるぜ〜っ!」という絶命時の言葉には、天才に永遠の憧憬を抱く秀才の普遍の想いが詰まっている。