伊集院大門
伊集院大門 球四郎に請われてビクトリー球団入りした陣流拳法総帥。球三郎の兄。拳法を野球ルールに応用することでビクトリー球団の礎を築く。本当の主人は先代が認めた球三郎だと口走りそうになった使用人の爺を蹴りの一撃で半殺しにするほどのパワーと人間的丸みの欠如を最初から全開。ヌンチャクバットで野球をするという、読者からのツッコミをあらかじめ期待しているかのような行動も数多い。 もともと球三郎とは仲の良い兄弟で、泣き虫の球三郎をいたわる強く優しく厳しい九州男児的な少年であったが、総帥の座を巡り血を流すのを回避しようとした大門は家を追われるように飛び出したり、上京した先で病に臥すも、球三郎には単車を買い与え乗り回させる豪遊を許す父に入院費さえ出してもらえず鉄格子のある独房のような部屋に追い込まれたり、その追い込まれ方が度を越したため精神を患い父親を勘違いして殺すなど、度重なる確執ゆえ執拗に球三郎抹殺のため迷走する。この執念はアストロVSビクトロにおいてはひとつの見せ場であり、ある種この試合の裏主人公ともいえる存在である。 デスマッチ野球の盛り上げ要員として球四郎に呼ばれた要素が大きかったため、球四郎に最初は敬語を使われていたものの、クリーン野球に転向するとしまいには「ビクトリーにとってはあんたの役目はおわった!」とまで言われたが、「しつこいんだよ!これ以上男をさげるない!」「男は散りぎわ、ひきぎわがかんじんだぜ!!」という球六のセリフに文字通り真っ白になるほどショックを受け、改心。次の打席前にかげ腹を切り、本塁打を打ったが、詫び状を腰に挿して立ったまま死亡した。切腹するひとコマはアストロ史上を代表する壮絶シーンである。