氏家慎次郎
氏家慎次郎 「アストロまっ殺最後の要員」として、関東日野刑務所で極秘特訓を重ねた「ビクトリー球団」投手。ストライプの三つ揃え着用で出所し、刑務所前で、指の関節を瞬時に外したり戻したりして投げる必殺技を球四郎に披露、「ビクトリー球団」入り。「南無阿弥陀仏!!」との掛け声で球一の背中を直撃した「スクリュー投法」は、解説席のカネやんによれば、かつて一大旋風を巻き起こした幻の日本人大リーガー「ヘンリー・佐多」が、各球団の打者を次々と毒牙にかけたビーンボールと酷似しているという。その後、「神風●烈風隊」と書かれたハチマキ姿で登板。ここで球四郎により氏家が、特攻予定だったにもかかわらず死に損った昭和3年生まれの男であること、その虚しさを大リーグにぶつけることで死んだ仲間の供養になると思っているといった過去が明らかにされる。ビーンボール魔球で立て続けにアストロナインに重症を負わせて己の特攻精神に酔い、最後には「奇妙院幻烈居士」なる戒名を書いた位牌をハチマキで額に挟んで球一と対決。まさしく命がけの投球をしようとした瞬間、こめかみの血管は破裂。血しぶきを噴いて投げた球を打たれた途端、皺だらけの白髪老人に変貌する。ボケ老人の徘徊のように出番を終えたため読者をキョトンとさせたが、敵に特攻して散ったことを思えば、目標は達成されており、ある意味もっとも幸福な登場人物だったとも言える。不細工ぶりを観客からは「イモのヘタ」「フランケンシュタイン」「ウジムシ」だのと散々野次られ、挙句に実況からも「ヘチャムクレ氏家」だのと形容される言われようはあんまりである。