リョウ坂本
リョウ坂本 ロッテの最終秘密兵器、“10番目の打者”。着物に下駄という出で立ちで、つむじ風を起こしながら登場。ハワイ・オアフ島出身の日系三世。年齢不詳。父親に日本武道のすべてを伝授され、中でも神道無念流を野球に生かし、その打法を封じた投手はいまだいないというふれ込みで現れる。謡曲・敦盛を好む。怪物モンスター・ジョーを眼力で手なずけてしまう、猛獣使いのような威圧感と、背中には竜のごときたてがみを持つ。日系とはいえ日本人でもないのに、ルックスも言動も、どこか野武士に似た佇まいを持つ。黒バットを片手持ちし、ミートの衝撃でボールが破裂し、革だけになったボールが一本の線のようになり加速して飛んでいく(そのため人の目には見えない)という「消える打球」を得意技とする。指名打者にもかかわらず、打席に立つよう指示されると「わたしの出番はわたしがきめる!」、ホームランを打ち審判にダイヤモンドをまわるよう言われると「私の使命は打つことだけだ!ホームランならベースをまわる必要はなかろう」などの名言で、無茶苦茶な理屈も男らしく断言し、球一のスカイラブ投法に敗れ右腕を負傷して使用不能となっても、最後まで正々堂々の戦いを好む生粋の漢気質。番外編では「ドラゴン・マグナム」と改名し、「アストロ球団」への復讐に挑む。だが残念なことに、球一に「坂本よ、ずいぶんとつまらねえ男になりさがったな」と言わしめるほど卑怯な粘着男として描かれ、またも完敗。その変貌ぶりは多くの読者に球一と同じ感想と失望と落胆を抱かせた。