■1月28日のテーマ・パネリスト |
「ゆとり教育」という言葉をキャッチフレーズに、大幅な学習指導要領の改訂が行われたのは、今から3年程前の2002年のことでした。「ゆとり教育」の“弊害”を憂える人々からは、「2002年問題」などと揶揄された改革ですが、その影響がジワジワと現れつつあります。教育は即時にその結果が出るものではなく、長い時間をかけて世の中に変化を起こしてゆくものでしょうが、すでに最近の調査では、学力の低下のみならず、学習意欲の低下、学校外での勉強時間の低迷などなど、一見「ゆとり教育」の弊害とも取れる調査結果が報告されています。その様な現状を反映しているのでしょうか、「ゆとり教育」の一環として「学校の完全週休2日制」が導入されたにもかかわらず、土曜日に自主的に補修授業などを行う自治体なども増えています。明らかに、教育の現場が混乱している様子がわかります。「受験戦争」とはまた違った意味で、「学力の不安」が、親や子供だけでなく広く教育の現場にも蔓延しているようです。 また、社会現象となっている「フリーター」や「ニート」の激増、「犯罪の凶悪化」「低年齢化」なども、その原因及び対処を「教育」に求める声もあります。 その様な状況から「こころの教育」の実施、「愛国心教育」などの必要が叫ばれ、次なる改革とばかりに教育基本法改正が行われようとしています。これだけ価値観の多様化した時代において、求められる「人間像」「国民像」というものが、教育を通じて半ば強制されるような時代が再び訪れるのでしょうか?その様な不安の声も多く耳にします。 戦後60年が過ぎ、時代の移り変わりとともに、社会構造も大きく様変わりしてきました。ことに近年その変化は大きく、その様な中にあって「教育」も時代の移り変わりに振り回されているといった感じがしなくもありません。「そもそも、教育とは何のために行われるものなのだろうか?」という問に改めて立ち返ってみる時期がきているのかもしれません。 そこで、今月の「朝まで生テレビ!」では、近年の「ゆとり」「学力」等の実問題もさることながら、戦後の日本教育の検証とこれから将来に向けの日本の教育はどうあるめきなのか?について、広く各界のオピニオンリーダの皆様にお集まりいただき、徹底討論したいと思います。 |
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