フセイン元大統領の身柄拘束のニュースは、泥沼化するイラク情勢を憂える国際社会
にとって、
少なからず明るいニュースとなりました。
しかし、5月1日に戦闘終結宣言が出されて以来、日増しに悪化してきたイラクの治安
情勢が、
この「フセイン捕獲」で好転するのか?それとも一層悪化するのか?未だ定かではあ
りません。
この「フセイン捕獲」に先立つ先月29日、イラクへの自衛隊派遣の準備が進む中、
とうとう日本人の外交官2名が殺害されると言う事件が発生しました。この事態に
も、
小泉首相は従来の方針に変更することはなく、この9日には自衛隊派遣の基本計画を
閣議決定し、
年明け早々にも自衛隊をイラクへ派遣することを決定しました。
混乱の収まらぬイラクへ自衛隊を派遣する事については、様々な問題が指摘されてい
ますが、
充分な議論と説明が尽くされたかどうか、国民の間には疑問も広がっています。
今回のイラク戦争は、先進諸国、ことに、米英VS仏独の対立を生み出しました。
冷静崩壊から十年余りを経て、世界のパワーバランスが、大きく変わろうとしている
という指摘もあります。
そのような時代にあって、日本は、これから先、国際社会の中でどのように振舞えば
よいのでしょうか?
とかくアメリカ追従、盲従などと揶揄された、「9・11」以降のアメリカ支持の政
策は、
日本の永い将来を展望する上で、果して本当に「国益」にかなった身の処し方なので
しょうか?
また、来年大統領選挙を迎えるアメリカは、このままのユニラテラリズムの道を突き
進むのでしょうか?
アメリカの世界戦略の方向性が変わる事はないのでしょうか?
2004年は、日本にとっても、アメリカにとっても、ひとつの重大な岐路となる1年で
あることは間違いありません。
と言うことで、既に大晦日恒例とはなっておりますが、今回の「朝まで生テレビ!」
は、
上記のような主旨で、イラク戦争を軸に、この一年を振り返り、来るべき2004年を展
望したいと思います。 |