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激論!亡命事件と日本の外交

2002年も残すところわずかとなり、1年を振り返る時期になりました。今年は、私たち日本と日本人が、新たな転換期を迎えていることをひしひしと実感する1年であった気がします。そのキーワードは「ナショナリズム」です。
例えば昨年から今年にかけての「政治スキャンダル」や「外務省疑惑問題」、今年後半、世間の一番の関心事となった「対北朝鮮国交正常化交渉」と「拉致問題」などにおいて、「国益」と言う言葉が、極めて肯定的な意味において多用されました。特に「拉致問題」では、世論が想像以上に北朝鮮に対し厳しい姿勢を示し、その世論に後押しされるかたちで、政府も強硬路線で交渉に臨んでいます。この問題は結果として、私たち国民に「国家」というものを強烈に意識させることとなりました。
国際的に見れば、昨年の「9・11」以来「対テロ戦争」とか「悪の枢軸」など、明らかに軍事的対立の図式が鮮明化しつつあります。
冷戦の崩壊から90年代を通じて、アメリカ「経済」が牽引する形で押し寄せてきた「グローバリズム」の波は、政権交代をきっかけに下火となり、代わりに、再び「軍事」によるアメリカの覇権確立の意向が明確になってきました。
「グローバリズム」の代わりに「ナショナリズム」が台頭してきたともとれます。
そして、今年は、そんなアメリカがイラク攻撃へと着々と外堀を埋めていく1年となったわけです。そのような状況下、日本はどのような姿勢でアメリカに協力をするのか、しないのか?
似たような状況はこれまでもたびたびありましたが、飽きずに問題点を洗い出し、議論する必要があるでしょう。
また、小泉政権の3本柱の一つであった「不良債権処理」についても面白い現象が見受けられました。内閣改造で、「いよいよやるか?!」という状況になるや、メディアはこぞって、竹中、木村バッシングへと舵を大きく切りました。
その表現は「禿げタカの手先」「売国奴」など、冷静さを欠くと思われるものも見受けられました。
竹中・木村路線がいわば「グローバリズム」路線であるならば、それに対する側は一種の「ナショナリズム」的ともいえるでしょう。経済の停滞が、容易にナショナリズムと結びつくことは、歴史が証明済みですが、今日のこのような状況は、20世紀初頭の恐慌から戦争への流れと、どこが同じで、どこが違うのでしょうか?冷静に議論する必要があると思われます。
戦後半世紀以上、私たち日本人にとっては「国家」を考えることは、ある種のタブーでもありました。しかし、いよいよ、私たち日本人も『「国家」と「個人」という対立項にどのような折り合いをつけてゆくか?』という問題に直面し始めているようです。
2003年最初の「朝まで生テレビ!」では、私達がいま直面する「グローバリズム」と「ナショナリズム」のせめぎあいの間で、この新たな時代を乗り切るために、「国家」としての「日本」は、そして「個人」としての私達「日本人」は、どうすれば良いのか、徹底討論してゆきたいと思います。




司会: 田原総一朗
進行: 渡辺宜嗣 丸川珠代
パネリスト: 山本 一太(自民党・参議院議員)
穀田 恵二(日本共産党・衆議院議員)
天野 礼子(アウトドアライター,「市民版憲法調査会」メンバー)
片岡 都美(ホテル経営者)
金子 勝 (慶応大学教授)
姜 尚 中(東京大学教授)
西尾 幹二(電気通信大学名誉教授)
野坂 昭如(作家)
宮崎 哲弥(評論家)
森本 敏 (拓殖大学教授)
八木 秀次(高崎経済大学助教授)
山田 厚史(朝日新聞アジア総局)
吉田 康彦(「北朝鮮人道支援の会」代表))
宮崎 学(作家)


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