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  reported by
野村真季

10月12日。
アナウンス部にいた私は、信じられない言葉を耳にしました。
松苗デスク「え~、12時から宮嶋さんがニュースを読みます」
あの 宮嶋さんが、ニュースを・・・?
アナウンス部にいた人たちの頭に、「!」とか「?」、はたまた「!!?」とかいろんな記号が浮かんでいるところに、松苗デスクが更に追い討ちをかけました。
「入社以来、初めてニュースを読みますよ~」

あの 宮嶋さんが、初めてニュース・・・?
もう私なんて、訳がわからない状態です。
だって、あの 宮嶋さんなんですから。

私が、宮嶋泰子です。

今年入社28年目、泣く子も黙る大ベテラン。
またの名を、オリンピックの女王。(モスクワからアテネに至るまで、なんと12回も五輪取材を続けています。)
強靭な体力、精神力。(病院から中継先に出て行ったとか・・・)
声の大きさ以上の存在感なわけです。(ちなみに、長い廊下の端でも宮嶋さんの声は分かります)
その 宮嶋さんが、一度もニュースを読んだことがないなんて・・・
アンビリーバボーなんですよっ!!
だから、「あの」だとか「その」だとか、フォントを変えちゃうくらいのことなんです。
みなさん、お分かりになりますかっ!?

と、鼻息を荒くしたところで、
えー、冷静にリポートして参りたいと思いますぅ、はぁ、はぁー。(息切れ・・・)

  今回宮嶋さんが挑戦したのは、CS朝日ニュースターの正午から始まる10分間のニュース。
ニュース原稿を下読みする、宮嶋さん。隣に写っている方は、この日のニュースデスクです。
下読み中    
  3分前。
BS・CSニュースはこのスタジオで。    
  スタジオに入って、音声チェックやプロンプターの確認などします。
スタジオに入りました    

宮嶋さん、初ニュースということで、もちろんプロンプターを使うのも初めて!

皆さんはテレビを見ていて、アナウンサーがずっと正面を向いたままニュースを伝えているのを不思議だな、と思ったことはありませんか?
暗記しているんですか?すごいですね~!と言われることがあり恐縮することが多いのですが、実は、この「プロンプター」を使っているのです。
「プロンプター」を使うと、手元のニュース原稿が正面に映し出されるので、カメラを真っ直ぐ見たままでニュースを読むことが出来るのです。

手元の原稿が・・・
↓  ↓
正面のカメラに、 こんな風に映ります!

12時ちょうど。ニュースが始まりました!

  画面には「宮嶋泰子」の名前スーパー。
いよいよ!始まりました    
  画面から迫力、感じませんか?
さすが!の迫力    
  順調に進んでいきます。
放送中の副調整室はこんな感じです。    

無事終了!

終了第一声は、「楽しかったぁ~!!」

終了!

写真はぶれてしまったけれど、この楽しそうなお顔が物語っています。

さぁ、無事ニュースデビューをした宮嶋さん。ご感想は・・・?


はい、とにかくとても楽しかったです。
小学生の時から文章を朗読するのが大好きだったのですが、なぜか、ここ十数年はニュースステーションで自分が作った特集のナレーションをするときぐらいしか原稿を読むチャンスがなかったので、本当に素敵な時間でした。

実際、今回の仕事も、デスクが「人繰りがつかないなあ」と独り言を言っていたのを聞きつけ「ねえねえ、私にニュースを読ませてくれない」と頼み込んだところから始まったのです。まさか、これが初ニュースとは誰も知らなかったようですけれど・・・・

それにしても28年間、よくニュースを読まずにアナウンサーを続けてきたものだと我ながら驚きです。

私が入社した頃は女性がニュースを読むと言うことがほとんどありませんでした。
入社1年、2年目の女性アナウンサーの仕事としては、アナブースに入って天気予報や、世界の子供ニュース、週間トピックスなどのやわらかいニュースを読むことはありました。しかし、顔出しでニュースを読むことはまずありませんでした。

入社3年目で、夜11の「ニュースファイナル」のスポーツニュースコーナーの担当を命じられたときも、「初の女性スポーツキャスター」などと言われ、それ以来、スポーツニュースは山のように読んできました。しかし、残念なことに、一般ニュースを読む機会には遭遇しなかったのです。

そのスポーツニュースでさえ、12年ほど前に読んだのを最後に、スタジオで原稿を読むと言う作業からは遠ざかっていました。もちろんプロンプターなるものも使ったことはありません。ですから、正確に言うと「28年ではじめてのニュース読み、12年ぶりのスタジオ顔出し原稿読み」と言うことになるのです。

相当ブランクがあるせいか、一番大変だったのは、尺の調整でした。押したり、まいたりするのをどう調整するかの勘所がつかめないまま本番へ突入。スタッフがいつも以上に気を使ってくれたせいか、なんとなく、ああ、無事全部原稿が入ったなと言う感じで放送を終えてしまいました。サブではひやひやものだったんじゃないでしょうか・・・

プロンプターを見ながらの初めてのニュースは、暗記して頭の中に叩き込んだ文字を思い出しながら喋っていた時よりずっとラクでした。プロンプターを使用したほうが、状況を理解して気持ちをこめて伝えるのには適しているなというのが実感です。

若いときには、ニュースの内容が小難しく感じられたものですが、歳を重ねた今、原稿の内容がとてもよく分かるので、なんだかとても楽に仕事ができたような気がします。

わずか8分のニュースでしたが、「読むのが大好き!」という私の原点に戻れた時間でした。

それにしても50歳を目前に新しいことにチャレンジさせてくれるなんて、なんて素敵な職場でしょう!!


この感想を頂いて、深く感じ入りました。
この10分間のニュースには、
宮嶋さんの、原点やこれまで積み重ねてきたもの、そしてチャレンジする心が詰まっていたのですから。
入社28年目の、あの 宮嶋さんの初ニュースは、
宮嶋さんにとっても、
後輩の私にとっても、
はたまたテレビ朝日アナウンス部にとっても(!)記念すべき一日となりました。

この記念すべき日、お終いは
ニュースのスタッフが、「さすが、ベテラン!」の掛け声とともに贈った拍手で、しめさせて頂きます。
めでたし、めでたし。

 
    
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