14日、北朝鮮チームが本会場に姿を現しました。世界水泳に彼女たちが顔を出すのは初めてです。北朝鮮ではシンクロはかなりさかんという話は聞いていました。何でも金正日が大好きだとか・・・。
日本水泳連盟のシンクロ委員長、金子正子さんによれば、
「とても北朝鮮ではシンクロが皆さんお好きで、広まっているということです。群泳のようなことは毎年お祭りのようにやっているということは聞いております。金正日がシンクロをお好きなので、皆さん親もこぞってやらせているという話だそうです。」とのこと。
2000年のシドニー五輪の時にデュエットが地区予選で出場権を初めて得て、大会に出てきました。結果はテクニカルが19位、フリールーティーンが17位で決勝に進むことはできませんでしたが、関係者の間では「北朝鮮はなかなかやるじゃない!」というのがもっぱらの評判だったそうです。
そして今回はデュエットのみならず、チームで参加です。最年少14歳(大会期間中に15歳になる)から18歳までの若い選手が8人がモントリオール入り。それも、ソロ、デュエット、チーム、コンビネーションとすべての種目にフルエントリーです。
いかがですか、この紺色で清楚な感じ。いつも屋内プールで練習をしているのか、諸外国の選手に比べ色の白さが目立ちます。
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スクール水着風が新鮮! |
練習を見ていてさすが北朝鮮という場面がいくつかありました。チームで水上に上がってきて飛び技などをするときの軽々とした動き。そして笑顔。実はこのプールはかなり塩素がきついんだそうです。日本選手たちも「目を開けているのがやっと」だと言っていました。その水の中でこの笑顔ですから「さすが北朝鮮」です。
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こうした技はさすが北朝鮮 |
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笑顔も鍛えられています。 |
国際水連のシンクロナイズドスイミング技術委員会の本間三和子さん(84年ロス五輪銅メダリストの元好三和子さん)は「この年齢でこの技術はすごいですね。どんな練習をしているんでしょうか。」と足わざの技術の高さに驚いている様子でした。実はピョンヤンでは頻繁にシンクロ講習会を開いているようです。今年も5月に研修会が行われ、日本にも来てほしいという要請があったようですが、国交が無いために断ったそうです。
結局その研修会には中国ロシアのコーチが出向いたようです。
本間技術員によれば
「5月の研修会に行かれたコーチの方に聞いた話では、演技が少しオールドファッションだと。やはり外に出ないのと、外からの情報が少ないので、技術はうまいが、構成、曲の使い方が古臭い、それがもったいないという話をしていました。」とのことです。
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この年齢でこの脚技はきれいです。 |
ただ練習を見る限り、彼女たちが堂々としていることにはおどろかされます。それほど海外遠征も多くはないと思われるのですが、外国勢の中に入っても気後れしている様子は見受けられません。小さな頃から人前に立ち、自分をいかにアピールするかという訓練を徹底して受けているのかもしれませんね。
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初めての大舞台にも緊張した様子は余りありませんね。 |
一つ気になったことは鼻栓・ノーズクリップがちょっと大きめなこと。普通は目立たないように肌色になっているものが多いのですが、北朝鮮の選手の中にはブルーのノーズクリップをしている選手もいて、これを本番のメイクをした顔につけるのだろうかとちょっと心配してしまいました。
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本番もこのブルーのノーズクリップを使うのかちょっと心配ですが・・・ |
それにしてもシンクロというのはみんながそろって演技をするスポーツです。どの国にも大声で勇ましく選手を鼓舞するコーチがいるものですね。北朝鮮版・井村雅代コーチを発見してしまいました。凄いパワーです。あのテレビのアナウンサーみたいな喋りで選手に指示を出していました!
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北朝鮮にも井村コーチ張りの熱血漢が・・・ |
ほおっと驚いたのが、一通り練習が終了し、陸上の動作の確認に入ったときです。スクール水着に白いスイミングキャップをして泳いでいるときは中学生か高校生のシンクロチームという趣だったのですが、スイミングキャップをはずしたとたん、彼女たちはとっても魅力的な女性に変身。まさに美女軍団(予備軍というべきか?)
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スイミングキャップをはずすとなかなかの美女たちです。 |
まさに「北朝鮮風」の曲にのって演技をする選手たち。
本番ではどんなメイクで、どんな水着を着るんでしょうか。
北朝鮮の選手たちが初めての世界水泳でどこまでやってくれるか、新しい楽しみが増えましたよ。 |