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私は高校2年生の時、保健体育の授業で「出産のメカニズム」を教わりました。内容は全く覚えていませんが、忘れることのできない言葉がただ一つあります。
それは、先生が出産に立ち会った経験を話していた時の言葉です。
「いいか、お前たちがどんなに忙しくても出産には立ち会った方が良い。」
「出産に立ち会うと人生観が変わる。」
都立八王子東高校・保健体育の授業で唯一、私の脳裏に刻まれた、
「出産に立ち会うと、人生観が変わる」というその言葉を私は実行することにしました。

そして、それは突然でした。
5月24日(木)の「やじうまプラス」を終えて、アナウンス部に戻り、自分の携帯を確認すると、1通のメールが届いていました。
メールは妻からのもので、内容は「陣痛が始まりました。まだ、自宅で待機中。早く戻って来られる?」というものでした。
私は慌てました。
とうのも、予定日は5月30日で、初産は少し遅れるのが一般的と聞いていたので、まさか、6日も早く陣痛が始まるとは予想していませんでした。
1ヶ月前から予定日の5月30日を挟んで前後10日間、長期休暇を申請し、万全の準備で出産に立ち会うつもりでしたので、まさかの事態に大慌てで、仕事の調整をし、急いで自宅に戻りました。
タクシーで自宅に向かう間も、気が動転していたので、一度、自分自身を落ち着かせる意味でも頭の中で自分がこれからやることを整理することにしました。
@ まず、陣痛の間隔を測る。
A 破水がないかを確認する。
妻が陣痛で苦しむ中、何もできない自分に苛立ちを感じつつも、私は上記の2つのことはしっかりやろうと思っていました。
というのも、病院からは、あらかじめ、陣痛が5分おきになったら来てくださいと言われていたので、妻の陣痛の間隔を時計で測ることが大事だと感じたからです。
また、破水したら、陣痛の間隔が5分以上だとしてもすぐに病院に来てくださいと言われたので、破水が起きているかどうかも随時確認することにしました。

妻の陣痛が始まったのが午前4時半。
私が自宅に戻った時刻は午前10時半で陣痛は10分おきでした。
そして、そこから陣痛が5分おきぐらいになるまで、実に12時間もかかりました。
そして、その間、病院に状況を伝えると、陣痛の間隔が短くなるよう、散歩したり、お風呂に入ったりするといいというアドバイスを受けたので、陣痛で苦しむ妻とともに、自宅の周りを30分ほど散歩しました。
一般的な感覚では、陣痛が来ているのに「散歩」して大丈夫なのか?という疑問も沸くと思いますが、
妻は、陣痛が来ているときは苦しい素振りを見せるのですが、陣痛が去れば、ケロッとしていました。

そして満を持して、陣痛が5分おきになった夜11時頃に病院に向かいました。
病院に着いてからも陣痛の間隔は徐々にしか短くならず、結局、出産までは7時間近くかかりました。
私は前日が早朝番組の「やじうまプラス」のオンエアだったこともあり、30時間近く起き続けている状態だったので、強烈な眠気と闘いながら、陣痛で苦しむ妻の身体をマッサージし続けました。
時折、私が眠気に負けそうになり、カクンと眠りそうになると、妻の「押してー!!」という声で目覚めるということが何度かありました。
妻の話によると、陣痛中にマッサージがあるのとないのでは「痛みの逃げ方」がまるで違うとのことでした。
結局、5月24日(木)の午前4時半から、5月25日の午前6時32分までの、実に約26時間がかりの出産となりました。
妻も死力を尽くしての出産でしたが、最後まで立ち会った私も無痛でしたが、情けないことに精魂尽き果ててしまいました。
ただ、我が子が産声を上げた瞬間に立ち会えたことは至福の喜びでした。
そして高校の先生が言っていた、
「出産に立ち会うと人生観が変わる」という言葉は本当にその通りでした。

そして、予定より早い出産にも関わらず、立ち会うことができたのは、仕事を変わってくれた、田畑アナウンサー、古澤アナウンサー、櫻井アナウンサーのご好意によるものです。
本当に皆様には感謝しています。


陣痛が来た時刻を克明に記録したノート
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