2/22 コラム/中山貴雄
 
 スピードスケート外ノ池選手がんばれ!!

スピードスケート女子1000メートル、外ノ池亜希選手は日本新記録で世界の7位に入賞しました。オリンピックという4年に1度の大きな舞台で、いかに自分の持っているベストの力を出せるか。
最高のコンディションを作るために、アスリート達は細心の注意をはらいますが、特に食事をどうするかに頭を悩ませるそうです。

外ノ池選手は、世界の長身選手と並んでいても見劣りのしないアスリートとして恵まれた身体をしています。丈夫な体に育ててくれたご両親、お父さんは外ノ池選手のコーチとして娘さんをオリンピック選手にまで育て上げました。
コーチであるお父さんと外ノ池選手そしてお姉さんのようなトレーナーの佃さん、3人はいつも一緒です。オリンピックが始まる3週間前にソルトレーク入りした3人は、まず会場近くにアパートを借りました。
そして日本食を作るための食材探しです。
アパートの近くにアジアの食材を集めたお店を発見、そこで必要なものを手に入れました。日本からも重量ぎりぎりまで詰め込んだ日本の味を持ち込んでいます。

大会前、そんな外ノ池ファミリーの夕食にお邪魔させてもらいました。
部屋に入ると、おいしそうなにおいがしています。
リンクでは厳しいコーチが、キッチンではやさしいお父さんに戻って、なんときんぴらゴボウを炒めていました。
トレーナーの佃さんは鳥の竜田揚げを作っています。
外ノ池選手はおでんの具になる巾着のお餅をつめていました。

僕は選手の合宿先を訪れたというよりも、外ノ池さんのお宅によらせていただいたような気持ちになりました。コーチと選手ではない親と子の姿がそこにありました。
 
「私は食器を片付けたり、ちょっとお手伝いをするだけでほとんど料理はしないんですよ」
 
そう話す外ノ池選手は、練習の疲れも忘れて楽しそうでした。
 
「野菜でも生で食べるのではなく、煮たり炒めたりして食べているんですよ。それと亜希ちゃんが食べたいっていうものを、必ず一品作るようにしています。選手は自分の身体が何を求めているか分かるんでしょうね。」
 
妹想いのお姉さんのような佃さんは話しながらも料理を作る手を休めることはありません。
 
「前はサプリメントも飲ませていたんだけど、今はこの食事ですべての栄養を摂らせているんですよ」
 
お父さんはきんぴらゴボウを作り終えました。
さあ、夕食です。お父さんを中心に3人が食卓を囲みます。
メニューは醤油と酒で下ごしらえをした鳥の竜田揚げとアツアツのおでん、ポテトサラダ、きんぴらゴボウ、こちらで偶然手に入れたモズク、漬物、もちろん白いご飯とお味噌汁、そして果物。
3人はおいしい料理を食べながら、自然と会話も弾みます。
レース当日は何を食べていくのか聞くと、
 
「お餅を食べて、リンクにはおにぎりを持っていきます。日本での時といっしょです。」
 
と外ノ池選手。そうそう、お母さんはどうしているの?
 
「今、母は長野でお留守番です。
でも、オリンピックが始まったら来てくれます。」
 
レースの日の朝、外ノ池選手のパワーの源・おにぎりは、お母さんが愛情たっぷりに握ったものが手渡されたかもしれません。