2/18 コラム/宮嶋泰子
 
 朋ちゃんスマイル

このすがすがしい感じは何だろう。連続メダルはならなかったけれど、未知のスピード、37秒台を2度もマークして、自分の今持てる力を存分に出した岡崎選手の鮮やかさ。気負うこともなく、常にありのままの自分のさらけ出そうとする彼女の態度は、ソルトレークでも全く変わることはなかった。どんなに窮地に追い込まれたときでも、取材陣の質問に懸命に答えようとする彼女の姿勢は、意地の悪い我々マスコミの中にも、朋美ファンを作ってきたように思う。

去年の12月末、ぎりぎりで五輪出場を決めた時の記者会見で、だれからともなく拍手が起きたあの時の空気。本当によかったねという、私たちのほっとした気持ちそのままだった。3回目のオリンピック、岡崎選手は1人で闘っていたのではない。たくさんの応援を身体で感じ、ここまで送り込んでくれたスタッフに感謝しながら、氷の上に立ったのだ。

「2年前に手術をして、2カ月前にどん底の状態にいたことを考えると、こうしてこの舞台に上がれることの喜びでいっぱいだった」

これからどんな道を選ぶのだろうか。記録が出て面白さが増したスケート。年齢のこと。結婚のこと。今後のことは、まだまだ分からない。どんな舞台でも彼女は北海道の自然のままのおおらかな心で乗り切っていくのだろう。幸せな気持ちにさせてくれてありがとう。

<この原稿はデイリースポーツにも掲載されています。>