清水宏保選手と長野から東京までドライブしたことがあります。橋本聖子さんから借りたというスポーツカーの助手席に座り、ファッションの話とか芸能人の話とか他愛もない話で時は流れていきました。
1時間ほどして、ふと運転席を見ると清水選手は、どこか窮屈そうだ。「大丈夫?」と聞くと「ええ、太ももがハンドルについちゃうんで」と彼は応えた。信じられない。そこにはハンドルに絡みつく盛り上がった太ももがあったのです。私の2倍はある。ひょっとすると女性のウェストぐらいの太さ?でもそんな太ももが、人類初の34秒台を生み出したのです。
長野五輪の金メダルから順調すぎるシーズンを送ってきた清水クンに昨年10月、突然の腰痛が襲った。日ごろから、己の筋肉を破壊して再生させるという人体改造に命をかけてきた清水の筋肉に限界がきたのかと思ったほど焦りました。だが、そんな地獄のような状態からの見事な銀メダル。完全復調ではない状態で、この集中力と結果は金メダル級かそれ以上!長野の金以上に今回の銀は凄いことだと思う。
試合後、本人は0秒03の差に心底悔しがっていましたが、その気持ちは絶対、次のトリノオリンピックで晴らしてくれるでしょう!そのためには今はゆっくり太ももをいたわってやってほしいナ。ちなみにさすが世界最速の男
…長野から東京までも異常に速かったことを覚えています。
<この原稿はデイリースポーツにも掲載されています。>
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