2/10 コラム/徳永有美
 
 トクナガ走る ☆ Vol.3

あっという間に時が過ぎていきます。取材のため、きっと東京にいる時の100倍は歩いている。ソルトレークに入って1週間。この準備期間だけでも五輪を味わえたような気がして「それだけで幸せ」と思っていました。しかし、それは間違っていた!開会式を見て、そう思ったのです。

ソルトレークからの初中継となった「やじうまワイド」では、自分の伝えたいことがうまく伝わらなかった…。そのリベンジのつもりで臨んだ「昼のニュース」では、気持ちよく伝えたいことが伝えられた。いよいよ五輪を私の言葉で伝えていくんだという興奮を背負い、夜に行われた開会式会場へ向かいました。

実は期待していなかった。だって競技を見たい気持ちのほうが強かったので。でも本当に素晴らしいものでした。
1人のスケート選手が大きな白いスケートリンクの舞台で踊り始めると、華やかな会場とは対照的な彼女の影が、長く伸びていました。それが選手の努力や苦労を象徴しているかのように見えました。
ただ、今までも選手の努力や才能の素晴らしさは強く感じてきた。でも、五輪という舞台はそれだけではない。応援する世界中の人の気持ちが選手に向けて集結し、五輪という舞台をより誇り高い舞台にしていると感じました。なぜ人は4年に1度のこの舞台に注目するのか。大会を通して、自分のこの足で感じ、伝えていこうと思います。

<この原稿はデイリースポーツでも掲載されています。>