2/5 コラム/宮嶋泰子
 
 厳しい警備の中ソルトレークに到着!

いよいよ冬季五輪が始まります。
テレビ朝日はこのオリンピックも内容充実でお伝えしてまいりますよ。

テレビ朝日のワーキングルーム
 

現地で仕事をするスタッフは、競技の中継を担当する人も含めて80人。
大部隊ですね。
これに東京で受けを担当してくれる人も含めると、オリンピックに関わる人は総勢200人程となります。
毎回放送規模が拡大していくオリンピック。冬の大会としては、前回の長野大会から初めてNHKと民放が共同作業で臨むようになったのですが、日本で行われた大会と同じ規模を、このソルトレークでも保とうというのですから、その意気込みのほどがおわかりいただけると思います。

それにしても、今回の大会はテロとの戦いという側面を持っているだけに、警備の厳しさは言うまでもありません。
その中で作業をする私たちへの影響もかなり大きいのです。

国際放送センターIBC
 

まずご紹介したいのが、世界各国の放送局が五輪中継をするために入っているインターナショナルブロードキャストセンター、IBCの警備。
外からIBCに入るときは厳重なチェックが待ち受けています。

IBCへの関門、チェックテント
 

最初に入るときは機材の搬入もあったので、それはそれは大変でした。
大きなジュラルミンのケースを開けて、これは何、あれは何と一つ一つ梱包を解いて質問してくるのです。
ぎっしり詰め込んできた機材を検査後再びケースに詰めるのが大変なことこの上なし。
私物ももちろんしっかり調べられます。
かばんの中からコンピュータを取り出し、エックス線でチェック。
それも、コンピューターを開けて、ベルトコンベアーの上に伏せて透視画像で見るのです。
化粧袋を開けられて、リップスティックの中まで調べられた女性スタッフもいました。
飲みかけの水を持っていた男性は「それを飲め!」と命令されておりました。

 手荷物チェック

1972年のミュンヘン五輪でアラブゲリラのテロ事件があってから、五輪の会場やメディアの作業現場で、このような持ち物検査をするのはあたりまえのことになっています。
しかし、これまでのほとんどの場合は、作業をするのはボランティアの人々が中心でした。
今回は違います。中心になって作業をしているのは迷彩服に身を包んだ兵士(州兵)なのです。IBCの周りにも小銃を持った兵士たちがうろうろ。
なんだか妙な感じです。

靴まで脱がされてチェックを受ける

 

そうそう、米国国内線に乗るときの空港でのチェックの厳しかったこと!スタッフの多くが靴まで脱がされて靴の中を調べられていました。
底の厚い靴を履いていると調べられるのかなと思いきや、どうもそうではないようなんです。いったい何を基準にして靴を脱がせているんでしょうかね。

面白がって写真を撮っていた私。このときはあとで自分がひどい目に会うなんて夢にも思いませんでした。

フライト時間まで時差ボケでうとうとしながら待合室で待つこと一時間。さあ、いよいよ搭乗という段になって、突然、あるアナウンスがありました。
ボーディングパスにある特定の文字がかかれている乗客は、再びボディーチェックを受けろという指示です。
自分のチケットを見ると…なんと、その文字が。

「ひどいですね。女性にスラックスのベルトをはずせっていうの。こんなのはじめてみましたよ。」一緒に検査を受けることになった男性スタッフも呆れ顔です。

搭乗口の前でコートを脱ぎ、さらにはその下に着ていたフリースも脱がされて、両手を広げた状態でじっとしていると、
係官が、警棒のような探知機を全身に何度も何度も当ててきます。
「ぴぴぴぴ」…妙な音が断続的にします。
別に何も金属物を身につけているわけではないのに…いったいなんで音がなるの?
膝から下でぴぴぴぴなる音に首を傾げたくなるのは私のほうだわ…と思っていると、突然「靴を脱いで!」とのこと。
ええっ?こんなぺちゃんこな靴なのに?
係員は靴を掲げて表裏と、懸命に調べている様子。
なんだかドラマの主人公になったような妙な感じ。
いったい何が怪しいって言うのよ!
この靴の底からプラスチック爆弾でも出てくるって言うの?

かばんの中身を全部あけられて、電子辞書の電源まで入れて、ようやく「サンキュー」と言われた頃には、私の中でふつふつと怒りがあわ立ち始めておりました。
いったい何なの!
調べられている中に欧米人の白人と思しき人はほとんどいないじゃないの。
テレビ朝日のスタッフをはじめとして、調べられているのは東洋人ばかり。
いったい何を基準にボーディングカードにその文字が刻み込まれているのでしょう。
人相が怪しいのか?アットランダムに文字がかかれているのなら、もっと
いろんな人種がいてもいいはずなのに…。

ソルトレークシティの中継ポイントで
 

テロで疑心暗鬼になっている米国人の中には知らず知らずのうちに、人種偏見が生まれてきているのかしれません。
人種を超えた人間のすばらしさを謳っているのがオリンピックのはずなのに。
ソルトレークで生まれた感動が、心の中にできた壁を打ち破れるといいのですね。

いやいや、ここまで書きながらまた思い出して怒りが込み上げてきてしまいました。
われわれの中にも偏見は生まれているかもしれません。