Reported by 野上慎平

それまで一度も見たことのなかったドラマを、最終回だけは何故だろう、見てしまう。

「終わり」に潜む美学など、研究したことがないから詳しくはわかりません。
ただ、それらが至極尊いものであることを、どこかで認識しているのです。

「アナ☆ロード 最終回」です。

2008年。4月。春。桜。心地よい風。六本木。
テレビ朝日が3人を迎えました。


入社式の3人


入社式司会の大木アナと

5月。人事部研修。初食堂。初徹夜。初給料。
多くの「初」を経て、3人はアナウンス部にやってきました。
部の扉を開き、とびきり大きな声で「お疲れ様です。」と挨拶。
廊下でそれを聞き、立ち止まって微笑んだ僕ら2年目3人。
「1年」という時間の経過を感じました。


仲間入りの証


アナウンス部歓迎会で初めての挨拶


研修初日。背筋を伸ばしました。

6月。3人はたくさん汗をかきました。
しかしそれは、決して心地よいものばかりではありませんでした。
「苦しい。きつい。泣きそうになる。」
3人が僕らに漏らした言葉です。ただ、必ずこう続けました。
「でもやるしかないんで、頑張ります!」
応援したくなる3人でした。


神宮球場・実況研修。


大絶叫。大興奮。


発声練習


緊張感の中で


それでも笑顔は絶やさずに


銀座でリポート研修。


蜂蜜の味をリポート


竹内は焦って、フォークを使わず手で食べました。(笑)

7月。研修中に初めて任せられた仕事「甲子園への道」。
その道は、「アナウンサーへの道」に続いていきました。






8月。3人の夏は、甲子園と共にありました。


聖地・甲子園


決勝のリポート


甲子園で絆を深めました。

9月。ついにこの時がやってきました。緊張の卒業制作。研修の卒業。
それは、アナウンサーとしてのスタートを意味します。「お宝映像」になるそれら。






3人が迎えた研修卒業式。緊張の糸がきれて、涙腺をノックしました。


涙が、止まりませんでした。

長かったアナ☆ロード。走り終えました。
そんな3人に、こんなサプライズが!


研修卒業ケーキ!!

感動のあまり、また涙・・・?

いえ。


緊張・涙・のち、笑顔

「研修最終日」それは今までの1日よりもどこか特別で、至極尊いものであることを、
3人は知っていたはずです。
研修を乗り越えた3人が「座談会」を開きました。

「アナ☆ロード」最終回特別企画!最初で最後の「映像」をお楽しみください!
 

3人の座談会

竹内の決意

本間の決意

八木の決意


そんな3人に、研修幹事の田原アナからコメントが届きました!!


田原浩史アナ
今年の新人研修は私田原と岡田さん川島くんの三人がチームを組んでスケジュールやカリキュラムを作り、皆さんに講師をお願いしてきました。
27年ぶりに男性がいない女性三人組です。
実は私達研修幹事には「女性三人だからって甘やかすなよ!」と先輩方からプレッシャーがかけられていました。

テーマは「プロの響く声を出せる女性アナウンサーに育てる」ことでした。

研修が始まった頃は、本当にそんな声が出せるようになるのか?
こちらが不安になるくらいのレベルでした。

竹内はか弱い声で、話し方にも芯がありませんでした。
八木は一番声が大きく元気はありましたが、サ行、鼻濁音、無声化等課題が山盛りでした。
本間は緊張すると表情が硬く、怒っているように見えて、感情表現も乏しかったですね。

ところが、甲子園での「さんさんリポート」を終えてから、三人は大きく脱皮しました。
表情が豊かになり、「伝える」ためには自分の実感が大切だということが分かってきたようです。トークの内容も以前とは大きく変わってきました。

卒業制作を終え、閉講式の最後に三人から挨拶がありました。
その声に、思わず感動しました!!
お腹の底から、響く、プロの声が出ていたのです。
どこに出しても恥ずかしくない、立派な、アナウンサーのいい声でした。

私達研修幹事は、「これでスタートは切れる」と確信しました。
とはいっても、まだまだ、三人共課題は沢山あります。
これからが、本当の勝負です。いつまでも全力で突っ走って欲しいと願っています。

3人はこれを読んで・・・涙?かも・・・。

決意を胸に、3人は新たな物語の扉を開きます。
ここから先は、それぞれの「ロード」が待っています。
黄色。それぞれの信号色と共に。


さて、これで本当に最後です。
「アナ☆ロード」のラストは、この方から3人に送るメッセージで締めくくります。
メッセージをお願いしたところ、多忙な中、快諾してくださいました。


松苗慎一郎部長
貴女たちの採用が決定したとき、人事部長と小さくガッツポーズしたことを昨日のことのように覚えています。
それだけの人材を3人もまとめて確保できたという「勝利」のポーズでした。テレビ朝日開局50周年にふさわしい戦力として。
しかし、アナウンス部に配属後、貴女たちは早速「大人物」ぶりを発揮してくれましたね。
アナウンス研修の初日、私は「同じ注意を二度とされるな!」と声を大にして言いました。
それにもかかわらず、何度も誤字だらけの研修日誌を提出するなど先輩たちを思い切り悩ませてくれました。
エピソードを挙げればきりがありませんが、「日本一厳しい」と自負しているテレビ朝日の新人研修をどうにか卒業し、ついにアナウンサーとしてのスタートラインに立ちました。心から祝福します。

八木君:生まれ育った関西を離れ、大変でしょうが、自分を強く保つこと。いつでもセンター前ヒットを打てるというだけでなく、走攻守を備え、大きなスケールに育ってください。

竹内君:入社前からありもしない他局の内定情報を流されるなど、大変でしたね。最初は声も小さく、前途多難でしたが、どうにか間に合いました。基礎練習を忘れないこと。

本間君:「眼力」が貴女の魅力です。いつも背筋をピンと伸ばし、本間らしく成長してください。息の長いアナウンサーになれる素養を持っていますよ。

正直なところ、まだまだ送り出す私にも不安はありますが、教えるべきことは全て教え
ました。あとは自分次第です。視聴者の皆さんに親しんでもらえる「テレビ朝日の顔」になってくれることを期待しています。
失敗を恐れず、思い切り羽ばたいてください。

3人は、ぐるりと巡る季節の中で、少しずつ自信を育てていくことでしょう。
僕たち2年目が、今もなおそうであるように。
ぐるりと巡る季節の中で、確実にバトンタッチが行われていくことでしょう。
僕たち2年目が、そうであったかのように。


今日から、このコーナーも新人3人にバトンタッチです。

これまで、アナ☆ロードをご覧頂き、本当にありがとうございました。
これからは、「後輩」が担当するこのコーナーを、どうぞよろしくお願いいたします!!
<このコーナーは2年目になった大西洋平野上慎平小川彩佳が担当しています。>