『GET!SPORTS』(毎週日曜深夜24:30〜)について

角澤照治
僕たちもスタッフも番組開始当初の試行錯誤状態から、ようやく安定してきた感じだよね(笑)。

大下容子
やはり「今までにないものを」という強い思いから、セットもトークの雰囲気も普通とは違った感じですし、ゲストも特にあらためて紹介するわけでもないですし(笑)、初めは戸惑いが大きかったですね。

角澤照治
そのスタイルが見る側にどれだけ定着しているかというのもあるけど、内容の斬新さは大いにあると思いますよ。トークの時は仕事を忘れて純粋に話を聞きたいと思いますし。ですからゲストの方にはもっといろいろな話をしてほしいです。

大下容子
番組の切り口もこだわってますよね。日本シリーズの際に西武ライオンズが行った“盗塁ミーティング”の映像を紹介したり。ヤクルトの古田選手も「自分たちをカッコよく見せてくれる番組だ」なんて言ってくれて、とても励みになってます。

角澤照治
個人的には相撲をぜひ一度取り上げたいですね。“体の壊し合い”と言うほど、とにかくケガが多い世界なんですよ。そんな舞台裏も紹介してみたいし、お相撲さんって、なかなかトークとかで本音を話さないイメージがあるじゃないですか。ぜひゲストに呼んで、深夜ということで油断していろいろ喋ってくれたら、なんて思うんですけど(笑)。

大下容子
私はやっぱりサッカー。ここに来てもう寝ても覚めてもそのことばかり(笑)。やはりカズに話を聞いてみたいですし、柳沢選手や中村選手など今回の代表になれなかった選手や“ドーハ組”の人たちにも取材をしてみたい。
それと野球では断然カープ(笑)。ものすごいハードと言われる2軍の練習や、なぜあんなに少ない戦力で強いのかなど、他のチームとは違う“何か”をぜひ探ってみたいです。

スポーツの魅力について

角澤照治
やっぱりスポーツって、個々の記録や出来事の裏に隠されている部分が面白いじゃないですか。例えばプレーヤーやスタッフの心理的な葛藤といったもの、それらは決してデータなどには表われてきませんよね。今盛り上がっているW杯でも、サッカー日本代表の岡田監督の本音は、戦いを終えて帰国してから初めて聞けるんじゃないかと思うんですよ。もちろんそれを聞くのは大変なんですけど、大いに興味がありますね。

大下容子
私は先日、水泳の鹿島瞳選手を取材したんです。彼女はアトランタオリンピックで4位に入賞した選手なんですが、それだけでもすごいことなのに私たちマスコミを含め周囲は彼女に厳しかったと思うんですよ。で、彼女はしばらく泳ぎから遠ざかったりもしていたんですが、現在は毎朝、大学に行く前に7000mくらい泳いだりして黙々と次の機会に向けて準備をしているんです。そんな彼女の姿を見て素直に素晴しいと思ったし、そういった一流のスポーツ選手の心境に強くひかれますね。抽象的ですが「何でだろう、なぜそうするのか」という部分をもっと知りたいんですよ。それに“そんな選手たちの”努力の前には自分のちっぽけな悩みなんてバカらしく思えてきますよね。

ワールドカップ大胆予想 (6/8)

角澤照治
正直言って日本代表は決勝トーナメント進出は難しいと思いますが、『ニュースステーション』スポーツ担当としてはなんとしてでも進んでほしい。そしてまだ日本が対戦したことのないドイツ戦がぜひ見てみたいです。注目選手はR・バッジョ。前回大会のあのPK(※彼が外してイタリアは惜しくも準優勝)はまだ強く印象に残ってますからね。その意味ではぜひイタリアに優勝してほしいです。

大下容子
日本はジャマイカには勝てると思うんですけど、そのほかの対戦では善戦及ばず…という感じになりそうかな。初戦のアルゼンチン戦がすべてのカギを握っていると思います。今回は私、カッコいい選手に注目してるんです(笑)。ベッカム(イギリス)、デルピエロ、そしてマルディーニ(共にイタリア)etc…。優勝国は…ストイコビッチのいるユーゴもいいんだけど、やはりイングランドですね。

同期入社について

角澤照治
彼女は昔から貫祿があるというか、いい意味で新鮮味がないというか(笑)。これが彼女の最大の売りで、僕はこれを“究極の親近感”と呼んでいるんです(笑)。でもそうかと思えば突然シャープな仕事さばきを見せたりして、やはり同期は常に自分をあせらせてくれる存在ですね。頑張っている姿を見ると励みになるし、多いに刺激にもなります。

大下容子
彼は声がバツグンに良くて、ナレーションがとても上手。低音で聞かせれば日本一! という感じ(笑)。でも普段は真面目ぶってますけど、カメラが回っていないところでは全然違うんですよね。もう冗談ばかり言ってる。

角澤照治
僕、ニュースステーションのスタッフに「お前は本番よりもスタッフルームにいる時が一番面白いな」って言われてるんですよ。「ブルペンエース」だって(笑)。それに実は僕って喋り出したら止まらなくて、言っちゃいけないことまで言いかねないタイプなんです。だからなんとなく自分の中でセーブしすぎているきらいがあるんですけどね。

大下容子
でもそれは言ってみれば“深み”があるってことだから(笑)。

アナウンサーという仕事について・将来の夢

角澤照治
自分の中で「アナウンサーって何なんだろう」ってずーっと考えているんだけど、今だに分からないんですよ。でも常に思っていることは、とにかく見ている人に元気になってほしいということ。身近なところで恐縮ですけど、90歳近い僕のおバアちゃんが『ニュースステーション』を毎日起きて見てくれているんです。それを聞くと大いにやりがいを感じますよね。

大下容子
私はほかに何が出来るでもなく、好きなことさせてもらっていてとても恵まれていると思います。アナウンサーとは何かまだ分からないけど、逆にそれだから何でも出来るんじゃないかと。でも自分の中ではだんだんと焦点が定まってきている気はします。ですから早く「これは私しか出来ない」というものを見つけて没頭したいですね。そうしたらきっと自分の中のヘンな迷いや甘さも無くなって、そこからまた何か広がるんじゃないかと思います。

角澤照治
将来の夢…僕は高校時代にサッカーをやっていたこともあって、ぜひとも2002年のW杯の実況をしてみたい! これはまさに究極の夢ですね。

大下容子
私もマラソンやテニスなどの実況を一度やってみたいです。サッカーはオロオロして実況にならないかもしれないけど(笑)。

角澤照治
でもやっぱり大下には同期として常に僕にプレッシャーを与えてくれる存在でいてほしいな。

大下容子
角澤くんも正統派の魅力もいいけど、これからは本番以外で見せる顔もぜひ出してほしいよね。

角澤照治
それはもっと自分の中の“悪魔”を出せってこと?(笑)

取材・文/中村裕一

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