高橋真紀子
新人女性アナウンサーのもう一人は村上祐子アナウンサーです。
すらっとしていて、一見おっとりしているようですが芯の強さを感じる村上アナ。
めまぐるしく変化する就職試験の経過も含めて教えてもらいました。
村上祐子
1.アナウンサー試験の内容・経過について
アナウンサーの試験日程は早く、年明け早々に行われます。今回は、去年実際に私が試験を受けた時の経過についてお話します。どの局でも、選考過程においてだいたい6〜7回面接等が行われます。
○書類選考
エントリーシートに写真(顔・全身の2枚)を貼り、志望動機、趣味・特技などについて書く。
○1次試験
面接官3人対1人の個人面接。自己PRの後、エントリーシートに沿った質問。時間は約2分。
○2次試験
面接官5〜6人対学生3人の集団面接。一人一人自己PRした後「どういう番組を担当したいか」「学生時代に打ち込んだこと」など、それぞれに同じ質問。時間は約15分。
○3次試験
筆記テスト。(時事問題、漢字テスト、SPI)
○カメラテスト(1)
ニュースステーションのスタジオで、実際にカメラの前で話す。自己PR・ニュースの原稿読み・VTRを見ながらの実況中継を行いました。
○カメラテスト(2)
自己PRは毎回行う。その他、突然パネルを3枚見せられて、それらをつなげて即興で一つのストーリーを作ったり、実際にスタジオにお呼びしたゲストの方にインタビューを行ったりしました。
○最終面接
役員7〜8名対学生1人。内容は今までの面接とほぼ同じ。
「志望動機」「学生時代に打ち込んだこと」などは、いつでも聞かれるので、予め考えておいた方が良いと思います。
上記のような試験が、約一週間のうちに行われました。局によって試験の形式は多少異なりますが、どこでも面接・筆記テスト・カメラテストが行われると思います。
2.就職活動について思うこと
就職活動は受験と異なり、内定における確固たる基準がありません。
その分、何に頼って活動すればよいのか分からなくなると思います。
私自身、就職活動を通して感じたことは「何が出来ればよいのか?」「放送局側は何を要求しているのか?」などと相手側を意識するのではなく、「自分が何をしたいか?」「何故それをやりたいのか?」ということを明確にし、最後まで「自分らしさ」を大切にして欲しいということです。
就職活動という非日常の中で「自然体」でいられることは、実は一番難しいと思います。
そのために必要なのは、自分らしくあり続けるための度胸をつけることではないでしょうか。
今の自分にとっての「100%」をいかに真っ直ぐに伝えられるかが大切だと思います。
急に200%を目指したり、逆に緊張して自分の50%しか出せなければ、本来の自分を自ら消してしまうことになります。偏差値のような数値の高さではなく、自分という枠組の中で何%かという問題だと思うので、どうか、自分らしさを大切にして下さい。
結果論として就職活動を語ることは出来ますが、私自身、実際去年の今頃は不安でいっぱいでした。そのような自分の支えとなったのが、アスクです。試験前、無性に不安になった時も、本試験中に自分を見失いそうになった時も、スタッフの皆さんを始めとして、講師の方々がいつも温かく接して下さいました。お陰でどんな状況でも自分を保てる精神力が身に付いたと思っています。アスクには技術指導の面だけでなく、精神的な部分まで本当にお世話になりました。
繰り返しになりますが、自分がやりたいことを明確にした上で、自分らしさを大切にして欲しいと思います。その中で、常に「アンテナを張り巡らす」ことを忘れないで下さい。毎日をただボーっと過ごすのではなく、例えば通学途中で花を見たら、頭の中でそれをテーマに何か一つ話を考えてみるとか、気負わず、自分の表現力で「日常」を楽しんでみて下さい。
何か特別なことを始めなくても、日常生活の中に、知らないこと、面白いことはたくさん転がっています。見聞を広めるためのヨコの視野だけでなく、タテの視野―例えば色々な人の立場に立って一つの物事を考えてみるのも面白いのではないでしょうか。私自身、そんなヨコとタテの視野を広く持てたらと思っています。これから本格的に就職活動が始まりますが、どうか広い視野で、自由に自分を表現して下さい。
【テレビ朝日アスクのホームページ】
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