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8月24日 世界最強ロシアシンクロの秘密

シンクロナイズドスイミングがオリンピックに採用されたのは1984年のロサンゼルス大会でした。それからしばらくはアメリカ、カナダ、日本の3強の時代が続いていました。
しかし、それも1996年のアトランタ五輪までのこと。その後王座についたロシアは、びくともしない強さを見せ付けています。
その強さの秘密を探ろうと、モスクワに出かけました。
報道ステーションで3月8日に放送したものをまとめてみました。
<放送が行われた段階ではまだメルボルン世界水泳はまだ始まっていません。>
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オリンピック、世界水泳、ワールドカップなど、ロシアはチームとしてこの10年間
負け知らずです。その強さの裏には一人の女性の存在がありました。

タチアナ・ポクロフスカヤ 

ナショナルコーチに就任するやいなや、ロシアを世界一に押し上げ、その座を守りつづけている世界ナンバーワンのコーチです。






〜ロシアシンクロ・究極を求めて
         タチアナ・ポクロフスカヤ


シンクロ関係者はタチアナ・ポクロフスカヤの振り付けを考表現します。

立花美哉さん:「見ていて飽きないですね。」
ヴィルジニ・デデュー:「隊形の変化がとっても速くて切れがあるわ。」
エリザベスコーチ:「彼女は作曲家が音で曲を作るように振り付けをしていくんです。」
井村雅代コーチ:「この曲にはこの振り以外にはありえないようなものを当ててくる。」



2003世界水泳バルセロナ大会 ♪イーグル


世界トップクラスの選手やコーチが絶賛する、音楽を視覚的な動きに変えていく振り付けの技はどこからくるのでしょうか。

構成や振り付けだけではなく、ポクロフスカヤコーチの選手の育て方も独特です。



 


井村:「どうやったらやわらかい選手をピシッと立たせているのか、そこがすごいと思います。」

筋肉や関節がやわらかい選手は、倒立が苦手と言われています。しかしロシアの選手たちはどちらもさらりとやってのけるのです。



 


宮嶋:「ロシアのシンクロはなぜあんなに強いのか、私たちはそれを知りたくてモスクワにやってきました。そしてこれからナショナルチームのトレーニングに密着してみます。」





朝9時、選手たちがプールにやってきます。マイカーでやってきたり、親に送ってもらったりさまざまです。

ジュニア時代に地方のクラブから選ばれて、家族と離れてモスクワで生活してきた選手もいます。

現在最も強いソリストと言われているナタリア・イシェンコもそんな一人です。
「カリーニングラードから来ました。14歳の時だったので、ホームシックにかかってさびしい思いをしました。」

現在イシェンコと同じ寮に住んでいるオルガ・クシェラ。
「私はサンクトペテルブルクからです。モスクワに来たのが13歳で、
オリンピック候補養成学校に入って、勉強と生活をしていました。」


 
イシェンコ                     オルガ・クシェラ


ロシア全土のクラブから選ばれた17歳から25歳までの選手たちの素顔は実に陽気です。
ボーイフレンドやおしゃれの話に花が咲きます。

でもひとたびタチアナコーチが現れると、雰囲気ががらりと変わります。

毎日必ず行われるこの体操は、シンクロと言うよりは、まるで新体操のトレーニングのようです。




それもそのはず。これは若かりし頃のタチアナさんの姿。
かつて国を代表する新体操の選手として活躍し、その後は新体操のナショナルコーチもしていたのです。



新体操の選手だったタチアナさん


新体操コーチだったタチアナさん


シンクロに関しても、タチアナさんは新体操の鍛え方を基本にしています。
「脚は床で作られるといつも言っているんです。」

井村コーチが不思議がっていた、しっかりした倒立ができて、しかも柔らかな身体はこうして作られていたのです。



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