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身長
154cm
出身地
宮崎県
出身校
宮崎西高校→
慶応義塾大学総合政策学部
入社年月日
2002年4月1日
星座
獅子座

2014/10/10  サラリーマン研究者とベンチャーと

最近、ロケに出るようになりました。
今週訪れたのは幕張メッセ。
最先端の技術を使った製品を展示するCEATEC JAPAN。
次に出てくる商品を、世の中に先んじて見ることのできる毎年のイベントです。

以前も取材したことがありましたが、
今年の特徴は、
人と会話したり、
人の表情などを読み取って最適な環境を作り出してくれたり、
人間に寄り添ってサポートしてくれるロボット技術が目立ったように感じました。
打ちやすいところに返してくれる卓球ロボットなどもそうです。
こちらは、ゴルフをする方たちにはありがたいもの。

グリップに取り付けるだけで、
スマートフォンと連動し、インストールしたアプリを使って、
自分のスイングの軌道を確認したり、プロの選手の軌道と比べたりできるのだとか…。
ゴルフスクールに行かずとも、スマホを使って上達できる時代なのかもしれませんね。

こちらは、サッカーボールの中にセンサーを埋め込むことで、ボールの軌道を記録し、
やはりスマートフォンのアプリを使って
無回転シュートを打つための指導もしてくれます。

スマートフォンとの連動、
小型化、
人に優しいロボット、
今の流行は、そういった傾向にあるようです。
移り変わって行くトレンドの中で、
企業では日々、それぞれの特性を生かした研究開発が行われているんですね。

その研究開発に関して、
『青色発光ダイオード』の製品化でノーベル物理学賞を受賞した、
カリフォルニア大学の中村修二教授がグッド!モーニングの中継インタビューで興味深いことをおっしゃっていました。

日本のサラリーマン研究者の立場は全く改善されていない

・ アメリカだとベンチャーを作って、そこで製品化して大金を得られるけれど、
日本だとベンチャーキャピタリスト(資金提供やコンサルを行う人)がいないし、
ベンチャーを作るシステムが整っていないのが問題。
・ 司法制度が絡んでくるから、このシステムを変えるには大変な時間がかかる。
・ 言葉の問題はなく、アイディアがあればベンチャーキャピタリストも認めてくれるから、
日本のサラリーマン研究者よ、アメリカに来るのが手っ取り早いよ、

といった内容でした。

一方で、まさに企業に勤める知り合いの研究者は、違う見方も持っているようで…。

・ アメリカは確かにベンチャーが多いが、話を盛りすぎていて技術がついてこないものも。
その一方で日本のベンチャーは社内ベンチャーも含め、質が高い。そういう意味で言うと、必ずしも日本が悪い面ばかりとは限らない。
・ そもそも仕組みが違って、日本の研究開発の資金の流れは、大学や研究機関の発明を既存の企業が検討して、お役所がお金を出すことが多い。
・ ベンチャーを育成する教育・資金面での仕組みは今もある。しかし経営を学んでいないし、開発資金の確保が難しい。これは強化が必要。

 

なるほど…
様々な意見があるのかもしれませんね。
今回の受賞は中小企業・大企業問わず、研究者の皆さんに勇気を与えたものだったに違いありません。
受賞された赤崎終身教授は、発光ダイオードの研究一筋60年だとか…!
利益が出ない間、支援する側にも根気と理解と信じる気持ちが必要なのでしょうね。
アイディアを形にする。ステキです!日本の研究者の皆さん、がんばってください!!
長々と失礼いたしました。

…そういえば来年には特許法の改正案が国会に提出されるという記事が先日出ていましたが、
どうなるのでしょうね…。
(今まで社員の発明による特許は社員のものだったため、譲渡してもらうために発明に見合う対価を支払う必要があったが、これからは社員が発明したものであっても特許は最初から会社のものとする、というもの。)

ノーベル賞を受賞した中村修二教授への『グッド!モーニングインタビュー』は、
こちらのURLから動画でご覧いただけます。
http://news.tv-asahi.co.jp/sphone/news_society/articles/000036299.html

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