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11月6日 近況報告

 
10月から、スーパーJチャンネルの「迷宮の扉」を担当しています。
前任者の寺崎アナから引継ぎました。

これまで担当してきたスポーツ実況に加え、初めて担当する「事件取材」にカルチャーショックを受けながら、悪戦苦闘の日々を送っています。
スポーツでは、取材や放送を通じて築いた人間関係や信頼関係をもとに、選手も心を開いて話をしてくれます。
しかし、事件取材では、その場で初めて会う方達に、思い出したくない事件の様子を話してもらわなくてはなりません。短時間のうちに、いかに信頼してもらい、心を開いてもらえるかにかかっています。その「聞き込み」は、とても地道で、時につらい作業です。近道や要領はありません。

私達取材者は「招かれざる客」として、一日に何度も門前払いを受けます。
仕事とはいえ、私達も家族を亡くされた方々の門をたたくのは、心が痛みます。出来ればそんなことはしたくないものです。
しかし「真相の究明」また「被害にあった家族として訴えたいことを伝えるため」さらには「事件の再発防止の一助になれば」という思いを込めて取材をお願いするのです。


そんな中で、新事実や事件の真相に迫る重要な証言を得ることが出来た時には、何物にも代えがたい充実感を覚えます。「そうだったのか!」「そんなことがあったのか!」「だからこのような事態が起きてしまったのか」という事件の縦糸と横糸が見えた時、事件取材の使命の半分を果たすことができたと感じます。
そして、視聴者の皆さんに放送を通じて伝えることが出来た時、肩の荷がおりたような気持ちになります。

日本中で毎日のように、事件が起きています。なぜ、事件は起きてしまうのでしょうか。
人の心の弱さ(とても広い意味で)ゆえなのでしょうか。
簡単には解き明かせない、人の心の闇の部分こそが「迷宮」なのかも知れません。

そんな「なぜ」を追って取材を続けます。

   
 
    
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