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4月15日 古澤ストロングスタイル『復活の熱』


小雨降る4月4日の後楽園ホール
いつも通り私は試合開始の3時間前に水道橋駅に到着した。
たまたま後輩の大西アナと駅でばったり会い、
喋りながら後楽園ホールへと向かった。

そんな我々の目に飛び込んできたのは、
数百メートルに及ぶ人の列だった。

「え?!」

「何だ、これ?!」

後楽園ホールの入口から始まった行列は東京ドーム方向に延び
階段を上がってそのまだ先へ延々と続いている。
最後尾はドームの裏側にまで延びていて確認することすらできない。

呆然とする我々に、一足先に到着していた野上アナが
興奮した様子で駆け寄ってくる。
「これ全部今日の当日券を買う人の列ですよ!!」

前売り券が早々に売り切れたことは知っていたが、
まさか当日券を求めてこれだけの人が
行列を作るとは思いもしていなかった。
しかもまだ試合開始の3時間も前である。



視聴率も絶好調!!この試合を放送した日は横並びダントツの1位

「こういうの、嬉しいっすね」と3年目の野上アナ

いつの間にか最年長のプロレス実況担当の私は10年目になるが
ここまでの行列は初めてのことだ。

かつて総合格闘技が人気を博していた頃、プロレスは迷走していた。
今でこそルールが違う「別の競技」と認識されているが、当時は最強を謳っていた
プロレスラーがその総合格闘技のリングで負けるという事実をファンは受け入れられず、
プロレスへの不信感が高まっていたのである。



中邑VS後藤 この日、また新たなライバルストーリーが始まった

当時お客さんの入りは芳しくなく、少しでも客を呼び戻そうと
「総合格闘技みたいなプロレス」をやってみてはうまくいかず
(違う競技なのだから当り前なのだが当時はみんなよく分かっていなかった)、
その結果ますます客足が遠のく・・・プロレス業界全体が負のスパイラルに
陥っていた。

しかし、地道に努力を重ね苦しみに耐え、ついにプロレスは蘇った。
プロレスが熱を生み、その熱がファンを熱狂させ、我々マスコミも
その熱を世間に伝えようとする。



この日に行われたもうひとつのタイトルマッチも激し過ぎた!!

熱が生み出した上昇気流がさらに周囲を巻き込んでいく。



近日放送!!見逃すな

その日の後楽園ホールも熱が熱を生む大熱狂空間になった。
その熱を伝えるマスコミの一人として、
そして一人のプロレスファンとして
もう一度言わせてもらう


プロレス人気は復活した



プロレスファンであることを誇りに思います

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