このページについてのご感想  
トップ > にほんご学習帳 トップ > 日本語研究室 トップ > 日本語研究室
 
- 名前は知っても実物知らず・・・!?-
  Reported by 坪井直樹
 
坪井   私、落語にハマッていまして、先日も「子はかすがい」という話を聴いたらいい話でした。
笑いだけでなくジーンとくる話も落語の魅力なんですねぇ。
萩野   「子はかすがい」って昔からよく言いますよね。
子供は夫婦の仲をかすがいのようにつなぐものだって・・・
ところで?「かすがい」って実際見たことあまりないですね!?
坪井   かすがいは漢字では「鎹」って難しい字だし。
田原    でも、みんな知っているけど実物を見たことないモノって意外と多いよね、
坪井クン。
坪井   ではさっそく見つけて来まーす!


ということで今回は「名前は知っていても実物知らず・・・なモノ」を調査します。


(1)「奈落の底」の「奈落」って?
奈落の底に突き落とされた・・・なんて言うときの「奈落」ってどんなモノを言うのか?
まず広辞苑を開いて出てきたのは・・・
<意味>
梵語で「地獄」、物事のどん底、どんづまり。

・・・なんだか暗い気分になったところに続いて、ありました、別の意味が!

<意味>
劇場にある舞台の床下の地下室。舞台関連の装置や用具が置かれている。

ああ、ステージの「奈落」はみなさん知っているようで知らないかも?
では舞台にある「奈落」の実物を見てましょう!いろいろ取材したところ、
東京都内の大型ホール「パルテノン多摩」にご協力いただき特別に「奈落」を見せていただきました!これが「奈落」です!



協力:パルテノン多摩

舞台上にパックリと口を開けて現れる「奈落」はある意味地獄のような怖さを感じます。
舞台上のスタッフの方と比べるとその深さも一目瞭然。
ステージで働く方々は命がけなんですね〜。


(2)「子は鎹」の「鎹(かすがい)」って?
年配の方ならご存知の方も多いでしょうが、最近は実物を見たことない人もかなりいるでしょう。
鎹とはコレです!

   

建材をつなぎとめる両端の曲がった大釘のことで、そこから両者をつなぎとめるものという意味で「子は夫婦のかすがいである」と言われてきたのですね。
ちなみに鎹は他にも長さや色など種類が豊富です。
みなさんの家でも柱をがっしり繋ぎ止めていることでしょう!

(3)「灯台下暗し」の「灯台」って?
身近なことには案外気がつかない意味で使うこの表現。
「灯台」ってあの岬などで光を放つ建物の灯台でしょ?と思っている人は驚くかもしれませんね。
この場合の「灯台」とは「灯明台(とうみょうだい)」「燭台(しょくだい)」といって
ロウソクの明かりを灯している台のことを言います。実物はこのようなモノでした!
工芸品を扱う鎌倉清雅堂に取材してみると分かりやすい写真を提供してくださいました。
まず・・・ロウソクを置く台を燭台といいます。それがこれ。


ここにロウソクを立て火を灯すと・・・おおおーっ!確かにっ!


協力:鎌倉清雅堂

下の部分が暗くなって見えませんね・・・この状態がまさに「灯台下暗し」。


坪井   このように今回3題を調査しました。
ご協力くださった方々ありがとうございました!
まだまだあるので今後も調べましょう。
田原    こうして見ると、我が研究室はまさに“ことばのかすがい”って感じだね〜。
萩野   お後がよろしいようで・・・・・・

    
このページについてのご感想  
トップ > にほんご学習帳 トップ > 日本語研究室 トップ > 日本語研究室