店頭で使われる場合は@の「世話を任せられる。任せて取り仕切る」に近い意味ですね。
実は、この「〜お預かりします」という言い方には、「店員の立場」が反映されているということです。
かつて、店主と客とが直接相対して売り買いをしていた個人商店が多い時代だと、店主は客に対して「980円ちょうだいします」 「(その前に)1000円お預かりします」という直接的な言い方でよかった。
ところがスーパーやファミレス、コンビニ店では、店員やアルバイトがレジ担当者として、店主の代わりにお金を受け取ります。
レジ担当者は、あくまでも「店主とお金の仲介人」の立場だから、客のお金を「お預かりします」ということになります。
だから、このような言い方になると岩松先生は分析しています。
また、「〜のほう」「〜になります」という言い方も、断定的な言い方を避け曖昧な言い方で『相手をたてる』心理が現れている表現で、本来正しい敬語の用法と根本は同じである点が興味深いと指摘しています。
(次回は、曖昧語法がなぜ敬語表現になるのか、私がまとめてみます。) |