江戸時代に実在した、三浦按針(アンジン)という青い目のサムライの話。
日本に漂着したイギリス人の船乗りウィリアム・アダムスが、
時の天下人・徳永家康の寵愛を得、日本的精神を備えたサムライとなる激動の人生と、
家康、宣教師、外国人商人たちとの交流や葛藤を描く時代絵巻です。
この舞台は日本とイギリスの両国で共同制作されました。
キャストには、徳川家康役に市村正親、按針役にオーウェン・ティールという
日英の名優を揃え、また若き宣教師を藤原竜也が演じるなど、
面白くならないわけがない!という顔ぶれ。
実は、3時間を超える超大作なのです!
(ちなみに、英語と日本語が入り混じるので、両方の字幕が表示されます。)
どう感想を伝えたらいいのか、と思うほど圧倒的な舞台でした。
シェークスピア劇のように愛憎が入り混じり、
大河ドラマのように繊細さと重厚感を持って迫ってくる。
すごいです、ホント。
この舞台を見て、
先日撮影でご一緒したスタッフの一言を思い出しました。
「金は色を映すから、何色にでもなる。金は金であって、金ではない。」
舞台ANJINは、ウィリアム・アダムスの特異な人生の物語であるけれど、
実は、按針という異なる存在を置くことにより、
徳川家康という人物の内面を描いているのではないかと思うのです。
「忍耐の人」として語られる家康は、
幼き頃に人質になり、自分の子に切腹をさせなければならない経験もしていました。
乱世を生き抜き、徳川の泰平をもたらした名将は、どんな思いを抱いていたのでしょうか。
息子・秀忠、割拠する戦国武将、豊臣秀吉、秀頼の息子・国松、そして按針。
戦をはじめいくつもの印象的なシーンや、
家康を取り巻くさまざまな人々との関係が、
「金」の家康に、これまで見たことのない色を映し出し、
それは「赤」にも、「黒」にもなり…
そして、人間としての家康を、新たに描き出すことに成功しているのです。
特に、按針に心許し語り合う場面や
幼い国松に、心情を吐露し厳しい決断を迫る場面は、圧巻です!
ぜひ、ご覧ください!
「ANJIN イングリッシュ・サムライ」は、
2010年1月18日(月)まで、天王洲・銀河劇場にて公演中です。
大阪は、2010年1月22日(金)〜31日(日)まで、
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、公演します。
http://anjin-englishsamurai.com/ |