ことばのアレコレ

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  • SHUNSUKE SHIMIZU

2019/8/1金メダルの表現

世界水泳が終わりました。

連日の実況三昧で、疲労感たっぷり、でもそれ以上の充実感で帰国しました。


解説の高橋敏浩さん、松田丈志さんと放送席で

さて今回は、言葉の「ニュアンス」の話です。
同じことを言っていても、言い方を変えると、細かいニュアンスが変わります。

①金メダルを獲りました!

②金メダルを獲得しました!

③金メダルをつかみ取りました!

①と②はニュアンスも含めて同じですが、あとは「語感」の問題です。
②の方が「かっちり」した印象になります。

③は、苦しい練習の末に、とか、挫折を乗り越えて、とか、そういうニュアンスが出ます。

ここで応用編。これに、「みせました」を加えると・・・。

④「金メダルをつかみ取ってみせました!!」

なんだか、選手が「どうだ!!」と言わんばかりの表情をしている、そんな光景が目に浮かびます。

このように我々実況アナウンサーは、瞬時に「ニュアンス」を感じ取り、表現しています。

①~④、どれが良くてどれが悪いか、ということではありません。
ここで挙げたのは4つですが、組み合わせによって表現は無限にあります。

同じ金メダルでもそれぞれに意味が違う、それをドンピシャで表現することを追求しています。

でも、これがなかなかうまくいかない・・・。

色々と例を挙げましたが、ズバッと一言、

「金メダル!!!!!」

これが一番伝わるケースもあります。

担当アナウンサー