ことばのアレコレ

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  • MISAKI HAYASHI

2018/10/11いわゆるマスコミ用語

こんにちは、林美沙希です。

今回は、報道番組でよく使われる言葉について
お伝えします。

「容疑者」「被疑者」「犯人」「被告人」
どれもよく聞く言葉だけれど、どう使い分けられているのか。
恥ずかしながら私は、報道番組を担当するまでしっかり説明できずにいました。

まず、私たちがニュースでよく使う「容疑者」という言葉は
長年事件取材などを担当してきたテレビ朝日の記者によると
マスコミが作った言葉だそうです。
警察から犯罪の疑いをかけられた人をこう呼びます。
法令用語では基本的に「被疑者」というのですが、“被害者”との発音が似ていて
紛らわしいため、“容疑者”という言葉が使われるようになりました。
この言葉が使われるようになったのは、昭和の終わり頃から平成にかけて。
それまでは「○○容疑者」などと呼ばず、実名で呼び捨てにすることが多かったそうです。

そして「犯人」について。
「犯人」とは、広辞苑で調べると犯罪を行った人のことです。
警察などの捜査機関が事件を認知して、まだそれを行った人物を特定出来ていないような場合に使われます。
報道番組でも「まだ犯人は捕まっていません。」「犯人の特徴は~」など
初期報道の時点で使われることが多いですよね。

最後に「被告人」について。
被疑者(※マスコミ用語では容疑者)が警察などの取り調べを受けて
起訴されると「被告人」になります。
私が9月まで担当していたスーパーJチャンネルの真実の行方コーナーでは、
取材した時点では“容疑者”でも、
放送日には“被告”に変わっていることが多かったので、
いつも「○○容疑者は~」と「○○被告は~」と、
リポートを2つのパターンに分けて撮っていました。

視聴者の方が違和感なく聞けるよう、
今使われている言葉でも、少し立ち止まって考えてみることが必要ですね。

担当アナウンサー