ことばのアレコレ

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  • YUKI MORIKAWA

2018/5/31シンクロナイズド・スイミングが消える?!

こんにちは。
今回の記事は、森川夕貴がお届けします。

オリンピックや映画「ウォーターボーイズ」などの中で
多くの方が一度は聞いたことがあると思います、
【シンクロナイズド・スイミング】という競技名。

実は…!
もう、
この【シンクロナイズド・スイミング】という言葉、

ひょっとするとひょっとして、
耳にすることがなくなるかもしれないんです!

というのも、
去年の夏にニュースにもなりご存知の方も多いかとは思いますが
「シンクロナイズド・スイミング」という競技名が
「アーティスティックスイミング」へと4月から変わったんです。

ジーニアス英和辞典を引いてみると
「シンクロナイズド」⇒一致した
「アーティスティック」⇒芸術的な 風雅な 趣のある
という意味。

意味もだいぶ変わっていますよね。
ん……。
どうして変わることになったのか。

5月17日付の朝日新聞によると、
きっかけは、国際オリンピック委員会のバッハ会長の
【アーティスティック=芸術的】の方がふさわしいのでは?という言葉だそう。

そこから議論が重ねられ、
競技内容もソロのパートがあったりなど
【シンクロナイズド=一致した】以外の見せ場も増えてきたので
国際水泳連盟も【アーティスティック=芸術的な】の方が合うと
判断したそうなんです。

そしてもっと調べてみると
実は、この競技名、
歴史とともに変わり続けていたんです!

まず、テレビ朝日が開設しているシンクロのホームページによると
記録に残る最も古いイギリスでの大会では1892年に
【スタントスイミング】
と呼ばれていて、男性が一人で演技するのが主だったそう。
スタント(stunt)は、
妙技・離れ業という意味。(ジーニアス英和辞典)
スタントマンなどと言うくらいですから
競技名も力強い印象を受けますね。
それと同じころ、ドイツでは
【アーティスティックスイミング】と呼ばれる競技があったそうで…。
おお、今回変わった名前と一緒です!
この二つが基礎となって、アメリカに競技が渡り
次は【ウォーターバレー】(水上バレエ)と呼ばれ、
【シンクロナイズド・スイミング】
という競技名になったのは1934年のことだそうなんです。

色々な名前を経て【アーティスティックスイミング】になったことが分かりますね!
今回、名前を変えるきっかけとなった発言をしたバッハ会長は
ドイツ人だそう。
もともとはドイツで生まれた
【アーティスティックスイミング】
という言葉。
あれ!どちらもドイツつながり!
バッハ会長がこの歴史を知っていたかどうかは不明ですが
ドイツ生まれの言葉にやはり遺伝子的にピンとくるものがあったんですかね?!

「ウォーターボーイズ」の映画やドラマを見ていた世代の私は、
「シンクロ・チャチャチャ(手拍子)、シンクロ・チャチャチャ」と応援するのがとても印象に残っていて慣れ親しんだ言葉なので、なんだか寂しい気もしますが、
新たな競技名となった
【アーティスティックスイミング】

芸術的な見せ場にも注目しながら応援していきたいですね。

担当アナウンサー

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