ことばのアレコレ

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  • YUMIKO MATSUO

2017/07/12将棋は「指す」「打つ」どっち?

『ことばのアレコレ』では、間違えやすい表現などを取り上げていきます。
初回は、将棋について。

空前の将棋ブームですね!
5歳から学べる将棋の知育玩具が売り切れになったり、

先日『モーニングショー』でも『スタディ将棋』を紹介していました。

将棋雑誌が飛ぶように売れたり、

将棋雑誌『将棋世界』の7月号はここ数年で一番の売れ行き!8月号の表紙も藤井四段で好評だそうです。

最年少プロ棋士・藤井聡太四段をきっかけに社会現象になっています。

ではここで問題です!

「将棋を指す」と「将棋を打つ」、どちらの表現が正しいでしょうか?

正解は…『将棋を指す』です!

なぜ指すなの?打つじゃいけないの?
ということで、将棋に詳しい、
マイナビ出版の将棋サイト「将棋情報局」の大石祐輝編集長に伺いました。

大石編集長、どうして「打つ」じゃダメなのですか?
↓↓以下、大石編集長↓↓
*****

将棋で「打つ」と言うと、明らかな違和感がありますね。
なぜ「指す」と言うのか明確な由来は分かっていないので、あくまでも私見ですが…
将棋は駒を進めていくものですよね。
「指す」という言葉は、
「指差す」などのように、矢印、ベクトルのある動きをイメージさせます。
「ある方向に向かって進む」という意味合いです。
つまり将棋の駒が動いていくというニュアンスですね。
一方で、囲碁の場合「打つ」と言います。
「打つ」という表現は、「釘を打つ」などのように使いますよね。
あるポイントに刺さっていくというイメージです。
囲碁は碁石を碁盤に打ったあと、将棋のように動かすことはありません。

諸説ありますが、それがニュアンスの違いでしょうか。
チェスの場合「指す」、オセロだと「打つ」と表現するのも同じ理由です。

ちなみに将棋の中でも「打つ」という表現を使う動作が1つだけあります。
盤面の外から、持ち駒を使う場合です。
盤面の中に駒が入ってきた瞬間の動きのみ「打つ」と表現し、
そのあと駒を動かす場合は、やはり「指す」を使います。

*****

なるほど…
大石編集長、よく分かりました!
将棋やチェスは、進む方向を示す意味で「指す」、
碁石を動かすことのない囲碁やオセロは、釘を打つように「打つ」

と覚えると、もう間違えることもなさそうですね!

藤井四段、最年少でデビュー戦からの公式戦29連勝、
歴代最多連勝記録を30年ぶりに更新するという偉業を達成しました!
次のタイトル戦も気になるところです。
将棋界がますます盛り上がっていきそうですね。

担当アナウンサー

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